他人のレストランで新メニューを作る、ネパールでならおすすめ

他人のレストランで新メニューを作る、ネパールでならおすすめ

ネパール人はあなたが考えているよりフレキシブルです。悪い言い方をするとかなり大雑把です。

これがメリットになるのがネパールのレストランでの食事する時です。

ネパールでレストランでよくある光景

オーダーしてから材料がないことに気づく

これは、ネパールのレストランで一番よくあるパターンです。

ネパールでは、メニューにある物がすべて手に入るレストランはほぼありません。なぜなら、今までこのパターンに数えきれないくらいぶち当たっているからです。

注文しても一向にメニューが来ない場合、このパターンが多いです。

しばらくしてから、スタッフがやって来て「今日はこのメニューは無い」と言いに来ます。そして、どのメニューに変えるか再び考えることになります。

そのため、始めから注文したいメニューが提供できるか確認している方が良いわけです。

スタッフが戻ってくるまでのレスポンス時間は、レストランの格式が高いほど早くなります。

格式の高いレストランは材料がきちんと管理されており、今提供できるかできないかがすぐに判断できます。そのため、スタッフがすぐに戻ってきます。

格式の低いレストランやローカルレストランでは、とりあえずオーダーを受けます。そして、順番に作っていきいざその料理を作る時になってみると、材料が足りないことに気づきます。それから、材料を買いに行くか、オーダーを断るかを決めます。

ネパールでは本当にここから外に材料を買いに行くので、遅い時は注文してから30分くらい待つこともあります。

オーダーしたものと出されたものが異なる

このパターンもネパールではよくあります。

例えば、ダルバートを注文した時、普通は薄いパリパリの香ばしいパパッドというものが一緒に提供されます。

しかし、ランチタイムの終わりかけや、ズレた時間帯に注文するとこれが付いてこないことがあります。

「パパッドは無いのか?」と聞くと、帰ってくる答えは「サッキョ」(在庫がなくなった)一本です。

また、あるはずのサーグが無かったり、タルカリが無くて他の物で代用されたりします。レモンが付いてこないことも多々あります。

これは「無くなったんだから仕方ないじゃないか」というネパール的思考です。

正直な店主のお店は買いに行って、バルバートが食べ終わる頃に申し訳なさそうに追加で持ってきたりします。しかし、9割がたは何も言わずにこっそりそのまま提供します。

同じ値段を払っているのに、提供されるものはあるはずのモノが欠けているのです。

ネパールのレストランでは物言いが可能

こんな場面で、日本人気質バリバリの人は何も言わずに黙ってあきらめてしまいます。

「ネパールは適当な国だから仕方ない」とか「店員さんが忘れちゃったのかな?今さら言ったら悪いな。」とか思っているあなた。損していますよ!

ネパールではこのような事はほぼ毎日起こります。

そして、言えばちゃんと対応してくれます。言わなければ店員さんは、「あ、この人はこれでも良いんだ。」と思うだけです。

いや、そんな事考えてすらいないかもしれません。

ですから、勇気を出して声を大にして物言いをしましょう

「パパッド、アエコ チャイナ!」(パパッドが来ていない)

「サーグ チャイナ?」(サーグは無いの?)

そうすると、「在庫が無いから無理だ。じゃぁ、どうすればいいんだ?」と聞いてきます。「今は無い(提供できない)」とだけ言ってくる場合もあります。

それから、自分がどうして欲しいのかを伝えましょう。

大抵の場合は追加料金なしで対応してくれます。

ネパールではこれだけで、対応が大いに異なるんです。場合によっては、払った金額以上のものを得ることもあります。

これで、あなたもハッピーなレストラン生活が送れます。

物言いで可能になったメニュー紹介

では、物言いをして可能になったメニューを見てみましょう。

レモンスカッシュ

ネパールでは、お店で外で瓶のスプライトを飲めば40ルピーとか50ルピーで飲めます。しかし、レストランで座って飲むと60ルピーから80ルピーくらいします。

それで、「スプライトマ カガティ ハルノスナ」と言ってみます。意味は、「スプライトにレモンを入れてください」です。

大抵の場合、無料でレモンを絞ってくれます。

これだけで、甘い砂糖水のスプライトが、フレッシュなレモンスカッシュに早変わりします。

レモンスカッシュというメニューは、今までネパールで見たことがありません。でも、この対応はほぼすべてのレストランで可能です。

ジョルバート

ネパールのレストランで普段食べるのはサダカナ(Sadaa Khana-普通のご飯)というやつです。ベジ・ダルバートとも言います。

肉がついていないベジ・ダルバートについてくるのは、ダル(豆のスープ)、バート(ご飯)、タルカリ(おかず)、サーグ(葉っぱの炒め物)、アチャール(付け合わせ)、サラダ(野菜のぶつ切り)、パパッドです。

パパッドはお皿の上側にある薄いパリパリのやつです。これだけは、おかわり不可です。

最近では、このサダカナが100ルピーから120ルピーぐらいです。

チキンカナにすると、これにチキンの煮物のようなものがついてきます。ダルより一回り小さなお皿に、鶏肉が3~4切れとスープが入っています。

チキンカナは180ルピー前後します。もっと高いところもあります。

鶏肉と一緒にでてくるスープをジョルと言います。

肉はお代わりできないのですが、それ以外はすべておかわり可能です。それで、このスープだけ欲しいというのです。

チキンコ ジョル マットラ ディノスナ」(チキンのスープだけください)と言えば、大抵はお皿に入れて持ってきてくれます。

このスープはおかわり自由なので、追加でお金を払う必要はありません。

「いや、あなたチキンカナ頼んでないでしょう!」と突っ込みが入りそうですが、大丈夫です。ネパールではこれは無料で対応可能な範囲内です。

サダカナの値段で、鶏肉を煮込んだ美味しいスープも一緒に食べられる。これが、ジョルバートです。

ちなみに、私が勝手に名付けているだけで、この名前では通じませんので、悪しからず。

ナンバーガー

「何だこれ?」と思うかもしれません。これは、チキンバーガーのバンズをナンに変更したものです。

これは、サドバト交差点近くのUnityCafeというレストランで食べられます。

このメニューがどうして誕生したかというと、4年ほど前にアメリカ人の友達が頼んだことにより可能になったようです。

アメリカは言わずと知れたハンバーガー大国。ネパールのバンズはパサパサで、すぐにポロポロと崩れます。また、美味しくもありません。そのため、彼はこれが好きではありませんでした。かと言って、ダルバートもそんなに好きではなく、ネパールのメニューに飽きた彼はついに物言いをしました。

「チキンバーガーコ バンズライ ナンマ チェンジ ガルノスナ」( チキンバーガーのバンズをナンに変更してよ。 )

その後、出てきたメニューはコレでした。

あまりにも彼が何度も注文し、彼と一緒に来店した人も注文するため、今では店の裏メニューになっています。また、バンズが足りないときは、店のスタッフの方から「バンズが在庫してないけど、ナンでバーガーが作れるよ」と言ってくるようになりました。

ナンがほんのり甘くて、食べ応えがあって、私の中ではこの店で満足度ナンバーワンのメニューです。

もちろん、値段はチキンバーガーと同じ170ルピーです。

まとめ:言いたいことは直接言え!

ネパールは国も人も適当であるがゆえに、話し合えば意外と何でもフレキシブルに対応してくれます。

食べ残したメニューをパッキングするなんて事は日常茶飯事です。

お店に無いメニューを開発してもらうこともできるし、ダニヤ(パクチー)が苦手なので入れないでと頼むこともできます。

チヤに少しだけコーヒー(インスタント)を混ぜるように頼むと、コクのあるチヤを飲むこともできます。

言わないと損をするのは自分です。言ったところで、相手も嫌な顔はしません。

自分の言いたいことは自分で主張するのがネパール流なのです。

ネパールでレストランに行ったら、ぜひメニューのカスタムに挑戦してみてください。格式のあるレストランでさえ、かなりの確率で対応してくれます。