ネパールの冬の過ごし方-ネパールあるある
ネパールに冬が来ようとしています。
トップの写真は4月にポカラで撮ったもので、ヒマラヤ山脈のFishTailつまりマチャプチュレですね。4月になっても雪は溶けません。
ネパールの冬は寒い。ヒマラヤ山脈があるから当然だ。 北に行けば行くほど寒い。そう思っていませんか?
アジアの極貧国、ネパールの人々はどうやって冬を越すのでしょうか?
ネパールの位置的には寒くないはず?
ネパールはインドと中国に挟まれています。北に中国、南にインド、東にインドを挟んでブータンがあります。
ネパールの緯度としては、GoogleMapで見る限り日本でいうと奄美大島ぐらいの位置で、かなり南に位置します。
ですから、実をいうと亜熱帯気候になるはずなのです。
しかし、寒いのは標高が高いからという事になります。
標高が100メートル上がるごとに約0.6度気温が下がることになります。カトマンズですと、1400メートルくらいですので、海抜0メートルからの気温差は0.6度という事になります。
ちなみに、ヒマラヤ山脈のトレッキングだと、4000メートル付近を歩く事もありますので、0.6度×40で24度の差があることになります。
ですから、東西に長く、南北に短いネパールですが、北部の山岳地域はものすごく寒く、南のインドに近い部屋い部分は標高が低いので暑いことになります。
実際、一番暑い時期だと、ネパール南部のタライ平野地域では40度を超して、45度とかになるので、暑すぎてなくなる高齢者の方もいらっしゃいます。
しかし、そのタライ地域は冬はカトマンズよりも寒かったりします。
なぜかというと、タライは冬は一日中霧がかかって、太陽の光が地面に届かないような気候になります。そのため、ものすごく寒いのです。
もちろん、標高が高いカトマンズもとても寒くなります。
カトマンズの冬はどのようにして過ごすのか?
カトマンズの冬は外で過ごします。
「えっ?」と思う方もおられるでしょう。しかし、外で過ごすんです。
ご存知の通り、ネパールの家はコンクリートと煉瓦で出来ています。
そして、極貧国なのでビニールのフロアシートか、薄いじゅうたん一枚をその上にひいて過ごしています。家の中は日が当たりません。
気候的にも、ネパールは冬は乾季なので雨が降らず、雲も少ないです。そのため、夜は放射冷却が働き一気に気温が下がります。そして、建物もキンキンに冷えるわけです。
ですから、室温はなかなか上がらないのです。夜冷えてしまった建物が温まるのは日が差して時間がたった昼前です。
ですから、日が昇ると同時に多くの人は外に出て日の当たるところで暖を取ります。亜熱帯地域に当たるので、太陽の光さえ当たれば体感はかなり温かいです。
気温そのものは、それほど温かくないのですが、日光のおかげで温かく過ごせます。
そして、夜は室内は寒いので外で火を焚いて過ごします。寝ることになると、赤く燃えた灰が山のように積んだ金属のお皿を室内に持ち込みます。それで、暖を取りながら、毛布に家族と一緒に包まり寝ます。
「それじゃぁ、一酸化炭素中毒になるんじゃ?」と思いますよね。
ご安心ください。ネパールの家は隙間風がたくさん入ります。また、レンガの隙間や立て付けの悪い窓からピューピュー風が入るので、換気は抜群です。
暖房器具はないのか?
もちろん、暖房器具もあります。しかし、極貧国ですから、お金が無い人は火を焚いて暖を取るしかありません。
一般的なストーブはガス式です。
大きさは40cm×80cm×30cmくらいです。この後ろが空洞になっていて、ガスシリンダーを置いて接続します。
右側のが7000ルピー程度、左のハロゲンヒーター付きのものが9000ルピー強です。
ただ、ガスシリンダーは通常キッチンで使うと数カ月使えますが、このストーブを全開で燃やすと90時間で空になってしまいます。例えば、全開で一日8時間使用して2週間以内に空になる計算です。なので、かなりの高級品です。
最近では、ハロゲンヒーターや温風器も出てきています。
大体、2000ルピー程度で購入できます。
ハロゲンロッド1本が400ワットですから、3本物で1200ワットという事になります。800ワットは使わないと、温かさを感じられません。
しかし、ネパールの家は古い家だと、5アンペア、新しい家でも15アンペアの許容量になっています。220Vで計算すると、3300ワットなので3台家の中で使えない計算になります。
通常は家1件に12部屋くらい、大家を入れて9家族36人以上住んでることも多いので、どうやってシェアするのか見当もつきません。料理家電を使った日には、ブレイカー落ちまくりです。
とにかく、暖房器具は金持ちのためのものです。
冬場にネパール観光に来られる方へ
冬場にネパールに来られる際は以下のものをお持ちください。
- ユニクロのウルトラライトダウンジャケット
- 温かいインナー上下
- 温かい靴下
- 手袋とマフラー
でも、脱ぎやすいものが良いかと思います。
日光に当たると、体感かなり温かくなります。
日中と夜の寒暖差が激しく、日が当たっているところと当たっていないところでもかなり変わってきます。
ということで、ネパールは冬は体調を崩しやすいです。ですから、万全な健康状態でお越しください。
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