ネパールの道路のサイズ感はおかしい

ネパールの道路のサイズ感はおかしい

ネパールはここ数年で急速に進歩している。特にカトマンズでは道路の進歩が目覚ましい。

今まで道路の車線やセンターラインのなかったが、両側の家を取り壊し、対向4車線つまり片側2車線の道路に作り替えられたりしている。場合によっては中央分離帯までできているところもある。

もちろん、メインの道路だけでなく、街中の道路や路地に至っても、土むき出しの道からアスファルトの敷設や、コンクリート化、石畳化などが急速に進められている。

もちろん、工事は進んでいるが、立ち退きが間に合わなくて、道の真ん中に家が建っていていたり、水道工事と称して道路中掘り起こしてボコボコのドロドロになっている道もたくさんある。

しかし、急速に日本のように土の道が減ってきている。

それに応じてか、車もバイクも急激に増えてきており、ラッシュアワーの8-10時や、16-18時には4車線道路だろうが、サイドウェイを合わせた6車線だろうが、隙間なく車とバイクで埋め尽くされる。

しかし、昔からの建造物、特にマンディール(ヒンズー教の寺)やストゥパ(仏教の仏塔)動かせないものもあって、4車線の道が急に車線が消滅して2車線になったりもする。また、観光名所として作られた建造物なども、そのまま道路に鎮座していることがある。

これが、非常に邪魔なのだ。

ネパール人の大半は交通ルールを守らない。2車線あれば車なら横一列に3台以上並ぶし、バイクなら6台だろうが横に入り乱れて走ることもある。対向車線が開いていれば逆走なんてお手の物。

譲り合いの精神は、基本的に存在しない。早い者勝ちなのだ。幅寄せ大好き。対向車が止まることになろうが、後続車が急ブレーキをかける羽目になろうが、自分が良ければそれで良しなのがネパールである。

これらが相まって、道路の急激な拡張により横に自由に広がって走ることになるバイクや車、通行人と犬と牛が、急激に狭くなる一部の道路で詰まってしまうのだ。

冒頭の写真で分かる通りだ。道幅5-6メートルくらいの交差点に「どんなけおるねん!」と突っ込みたくなるほど、一気に詰まる。

念のため言っておくが、冒頭の写真はほんの少し混んでいるだけだ。激しく混む場合は交差点に向かって、4つの道路が数十メートルにわたってバイクと車で埋め尽くされる多々ある。

例えば、パタンドカ。

手前がパタンのダルバール広場の方へと続く道で、奥がエンジニアリングキャンパスやフジベーカリーのある方向だ。

写真奥に見えるのがパタンドカと言われる道路に鎮座している門である。

これが、小型のバス一台しか通れない広さ。しかし、その前後は詰めれば車3台は並べる道路なのだ。

画面手前から、パタンドカの手前左から、大量の車やバイクがやってくる。しかし、パタンドカの向こう側にも交差点があり、2方向から車とバイクがやってくる。

つまり、4つの道路が合う交差点に当たるところが、パタンドカなのだが、その通り抜けできるサイズが車一台って、どういうことですか?

パタンドカのフルサイズが道の太さいっぱいで、写真で言うと左側の人が通る道の部分だけが歩道になっている。なので、その右約7メートルは道路なのだが、一気に狭くなるためここで止まることになる。

ここ、スクールバスの通り道でもあって、住宅密集地への入り口でもあるので、ものすごい交通量の多い所なのに、なぜこんなものを置いたままにしているのか。

地震で半壊したのに、取り壊さず、修復してきれいに色まで塗ってしまって。

こういうところがいくつもあって、道が急に狭くなる。そして、譲り合わない人たちと、道路の許容量を圧倒的に超えた車とバイクが交通法規を無視して縦横無尽に走りまわる。

みなさん、こんなネパールにぜひ来てください。一緒に、カオスを体験しましょう。