通行禁止令!?見よ、ネパールのローテクぶりを。
この写真は今日のナヤンパットリカという新聞の一面です。右側の人が並んでいる絵がある記事が、次の件と関係があります。
本日2019年1月30日はネパール国内で、カトマンズ周辺ではバクタプル、ドゥリケル、ダッチンカリが通行禁止でした。また、ポカラ周辺でも一部通行禁止になっていました。
こういうことは良くあります。なぜなのか、理由を見てみましょう。
選挙投票日は車両利用禁止!
通行禁止令がしかれる理由は何かというと、補欠選挙があるからだそうです。そのため、公共交通機関(バスやタクシー)を含め、一般車両の通行が禁止されています。
以下の様なメールが日本大使館から送られてきているので、理由を見てみましょう。
11月30日補欠選挙に伴う移動制限(車両使用禁止)について ネパール在留邦人の皆様及び旅行者の皆様へ 在ネパール日本国大使館 11月30日(土),ネパールでは補欠選挙(国政選挙,地方選挙等)が実施されます。 この補欠選挙に伴い,選挙が行われる以下の各州,郡,区等にて,選挙での不正行為防止(他投票場所での二重投票等)のため,11月30日午前5時から午後5時まで,選挙に関係する登録車両以外の走行が禁止されます。公共交通機関(バス,タクシー等)も運行しておりませんので,ご注意ください(徒歩での移動は可能です)。 (カトマンズ,ポカラ周辺の主な選挙区) ガンダキ州カスキ郡ポカラ市第4,7,8,9,11,15,16,17,20,21,23区 第3州バクタプール郡チャングナラヤン市第1~9区,バクタプール市第10区 カーブレ・パランチョーク郡ドゥリケル市第2区 カトマンズ郡ダクシンカリ市第3区 チトワン郡バラトプル市第16区 チトワン郡カイラハニ市第4,5区 上記以外の選挙区の情報等,その他の情報については,ネパール政府機関(http://www.election.gov.np/election/en),新聞,ニュースやインターネットなどを活用して最新の情報を入手するように努めてください。 また,選挙前および11月30日当日は,前回以上に選挙活動が過熱化し,予想外のトラブルに発展する可能性もあることから,投票者や立候補者にみだりに話しかけたり,演説会場,投票場所や選挙関連施設に近づかないようにして下さい。 |
つまり、不正防止のために車両を使うなと。
車に乗って、別の投票所に言って投票したら1人複数票入れられて、不正ができてしまうので、「お前ら家の近く以外は移動するな」という事です。
徒歩での移動は可能です。場合によっては自転車を止める場合もあります。
メインの幹線道路や大きな交差点、警察の前、投票所の近くなどで警察が(トラフィックポリス)が立っており、移動する車やバイクを止めます。
選挙関係の車両や警察関係でなければ、「今日は運転してはだめだ。元来た道を帰りなさい」と言われます。
なので、逮捕されるわけではありません。
ていうか、そんな簡単に不正ができるって、どれだけローテクなのか。。。
他にもよくある車両使用制限
日本大使館から以下の様なメールが届いています。明日(2019年12月1日)と12月10日は、ナンバープレートによる車両通行制限を行います。
南アジア大会2019開催に伴う車両使用制限について ネパール在留邦人の皆様及び旅行者の皆様へ 在ネパール日本国大使館 南アジア大会2019の12月1日(日)からの開催に伴い、カト マンズ盆地内で開会式および閉会式の両日,車両使用制限が行われ る。 12月1日 末尾ナンバー奇数番号(1,3,5,7,9)のみ使用可能 10日 末尾ナンバー偶数番号(0,2,4,6,8)のみ使用可能 当地交通警察によると、南アジア大会2019(12月1日~12 月10日)に伴い、カトマンズ盆地内で終日(午前0時から午後1 2時まで)車両使用制限が行われます。規制車両は4輪及び2輪( モーターバイク)で、タクシー等も含みます。 外交官車両は除外です。 |
「ここは中国か!?」と突っ込みたくなります。
これは、一般車両、公共の交通機関にも適用されます。
ネパールには電車が無いので、バスか乗り合いマイクロでの移動、バイク移動が基本です。複数持っている人は少ないので、人によっては身動きが取れなくなります。
公共の交通機関も稼働数が半分に減ってしまいますからね。
これで、どれだけ減るかと言われると、渋滞が少なくなって、通行しやすくなるという程度です。普段は、渋滞というが停滞がよくあります。
そうなると、警察だろうと、救急車だろうと、政府車両だろうと通ることはできません。道中車とバイクでいっぱいになり、避ける事すらできませんから。
そのため、このようなナンバープレートによる車両通行制限がここ2年ほど前から行われるようになっています。
通行制限の目的は交通のコントロールではない!?
通行制限の目的は公には「政府の活動をスムーズに行うため」です。
以下の様な時に、車両通行制限があります。
- 中央選挙、地方選挙、補欠選挙
- 国際的なイベントが開催される時
- 各国首脳がネパールを訪れる時
ネパールは、インフラの発展していない貧困国です。アジアの中でも極貧国レベルと言っても良いでしょう。
しかし、バイクや車の使用が急速に増えているため、コントロールができていません。
例えば、8-11時の登校・通勤時間帯、お昼の仕事の車の通行時間帯、16-18時の帰宅の時間帯は、カトマンズのメインの道路は各所で停滞します。
サイドウェイを合わせると片道4車線つまり8車線の道路が、車線を無視してバイクと車で埋め尽くされて動かなくなります。交差点は四方八方から来るバイクと車でグチャグチャです。
そして、言うことを聞かせるために警察が怒鳴って指示を守らない人と喧嘩し、免許を取り上げて違反切符を取っています。その間交通はマヒします。
無理やり守らせないとコントロールができないのです。
また、外国から首脳や代表者が来るときは、その人たちが通る道をアスファルトを引き直し、路側帯にペイントをやり直します。また、彼らが通る時には道を警察が封鎖して彼らが通れるようにします。
つまり、外面を良くしたいだけです。外国の人に良く見せて、「ネパールはこんなに発展して、良くなっています。皆さんの寄付と援助のおかげです。これからも援助よろしく!」と言っているのです。
その間、見えないところではバイクと車、歩行者さえも溢れかえりグチャグチャになっています。
まとめると、権威を示すためと、外面を良くしてお金をめぐんでもらって懐に入れるためとなります。政府の思惑がどうあれ、人々はその様に思い見ています。
やり方は政府反対者と同じかも?
ネパールはよくバンダ(閉鎖)と呼ばれるゼネラルストライキを行います。
これは、政府の方針に反対する勢力が政府を困らせたくて行います。
例えば、暴動で捕まった自分たちのリーダーを開放しろとか、新しく決まった法案に反対するなどです。
ゼネラルストライキ、つまりバンダの方法は、道の封鎖です。すべての交通機関、一般のバイクや車、公共の交通機関が動いているのを見かけたら攻撃するというのです。そして、幹線道路や大きな交差点に陣取って封鎖します。
場合によっては投石したり、車に火を付けたり、爆弾を使用したりする場合もあります。5年前は、バイクや車の使用をやめないと銃撃するとラジオで放送したこともあります。
そして、みんなが困ると政府の仕事もままならなくなるので、「どうだ困っただろう。私たちの言う事を聞きなさい。」と力づくで政府に圧力をかけるのです。
政府も反対勢力も、目的は違えど自分たちに有利に働くように交通を掌握しようとします。それ以外にいいやり方はないのかと思うのですが、民衆も最近ではあまり従わなくなっています。
今後このような締め付けが厳しくならなければよいのですが。
バイクを毎日使うものとしては、困った限りです。
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