動詞を名詞として使う(動名詞、不定詞)-ネパール語文法

動詞を名詞として使う(動名詞、不定詞)-ネパール語文法

動詞を名詞として使うパターンはネパール語の中でも、かなりたくさんあります。

例えば、「○○することができる」「○○のために」「○○しに行く」などの日常会話で使う文章の中に出てきます。

ネパール語だけでなく、新しい言語を習得する時は「これはこういうものだ」と覚えさせられます。しかし、その成り立ちを理解していないと、間違って使う、応用ができない、人に説明できないという問題にぶつかります。

この記事では、ネパール語の動詞を名詞として使う方法とその仕組み、どうやって使うのかを例を交えて解説します。

動詞を名詞にする。動名詞、それとも不定詞?

動詞を名詞にして使うということは、動名詞または不定詞になるという事です。どちらも、「~すること」という意味を表します。

元の「○○する」が動詞の状態で、「○○すること」が名詞の状態です。つまり、動作を名詞としてとらえることができます。

こうすることによって、様々な文章を作ることを可能にします。ただ、英語と少し違うので混乱するかもしれません。

英語を例に説明:動名詞と不定詞の違い

英語の動名詞「動詞 + ing」

I remember visiting his house. 私は彼の家を訪れたことを覚えている。

英語の不定詞「To + 動詞」

Remember to visit his house. 彼の家を訪れることを覚えていなさい。

どちらも、動詞を名詞のように扱うことができています。働きは同じですが、動名詞は現在または過去のこと、不定詞は未来のことや意思や感情を表す際に用いられる。

もちろん、用法によって動名詞しか使えないときもありますが、主にこんな感じです。

ネパール語での動名詞と不定詞

ネパール語では、動名詞と不定詞の違いはありません。

時制がいつであるかにかかわらず、動詞を名詞として使う場合は同じ形(2種類ある)に変化します。

説明する文法書や教師によって、動名詞と表現したり、不定詞と表現したり様々です。

私自身、オンラインレッスンでは動名詞と説明していましたが、不定詞と説明しても差し支えありません。ネパール語上では同じだからです。

ただし、ネパール語を英語に通訳・翻訳する必要があれば、時制によって動名詞になったり不定詞になったりすることを覚えておいてください。

名詞的用法の使い方

ここからは、ネパール語での動詞を名詞として使用する方法を名詞的用法と命名します。

動詞の原形は単語の末尾が” नु “-(nu)で終わります。

名詞的用法にするためには、基本的に” नु “-(nu)を” न “-(na)に変えます。

場合によっては、” उ “-(u)を取り除くとも表現するのですが、それは表記上の話です。本当に” उ “-(u)の音を取り除いてしまうと、” न “-(na)の半音の” न् “-(n)になってしまいます。

ここで、「基本的に」と言っている理由は、原形と同じ状態でも名詞的用法として使うことができるからです。

ここからは、それぞれの使い方を説明します。

名詞的用法その1:” नु “-(nu)を” न “-(na)に変え

動詞の単語の末尾の” नु “-(nu)を” न “-(na)に変えると以下のように変化します。

原形発音意味名詞的用法発音
गर्नुgarnuするगर्नgarna
खानुkhaanu食べるखानkhaana
आउनुaaunu来るआउनaauna

この用法の方が使用頻度は抜群に高いです。

動詞を二つ続けて使う必要があるとき

文法的に、動詞をそのまま二つ続けて書くことはできません。

日本語でも「食べに行く」を「食べる行く」と書くと意味が通じません。「食べる」と「食べに」に書き換えるのと同じ理屈です。

何かの動作を行うことを説明する場合に、この用法を使用します。

○○することができる。

ネパール語म यो काम गर्न सक्छु |
発音ma yo kaam garna sakchhu.
意味私はこの仕事をすることができる。

○○したい。(○○することを欲する)

ネパール語तपाईं दालभात खान चाहनुहुन्छ ?
発音tapain daalbhaat khaana chaahanuhuncha ?
意味あなたはダルバートを食べたいですか?
(あなたはダルバートを食べることを欲しますか?)

○○させてあげる。(○○することをゆるす)

ネパール語म तिमीलाई साथी कहाँ जान दिन्छु |
発音ma timiilaai saathii kahaan jaana dinchhu.
意味私は君に友達のところに行かせてあげる。
(私は君に友達のところに行くことをゆるす)
友達のところに行ってもよいです。←意訳

この形は、次の「○○のために」の省略形と実際には同じです。

助詞を接続する必要があるとき

動詞を形容詞的に使いたい場合、この用法を使用します。

助詞は直接動詞に接続することはできないので、名詞的用法にしてから助詞を接続する。

○○のために – को लागि

ネパール語हामी खाना पकाउनको लागि आउँछौं |
発音hami khaana pakaaunako laagi aaunchhaun.
意味私たちはご飯を料理するために来ます。

この” को “-(ko)は所有格かというと厳密にはそうではありません。しかし、使用方法は同じです。” को लागि “-(ko laagi)のセットで「~のために」を意味します。

参考記事:所有格-ネパール語文法

○○のために – लाई

ネパール語म यो किताब पढ्नलाई दिन्छु |
発音ma yo kitaab padhnalaai dincchu.
意味私はこの本を読むためにあげます。

これは、” को लागि “-(ko laagi) と同じ意味です。

○○のために – 助詞は実際は付かないが省略されている

ネパール語उनी तरकारी किन्न जान्छन् |
発音unii tarkari kinna jaanchhan.
意味彼は野菜を買いに行きます。
(彼は野菜を買うために行きます)

” को लागि “-(ko laagi) または ” लाई “-(लाई) が省略されています。

名詞的用法その2:原形と同じ形のまま

動詞が原形のまま使われることはほぼないため、原形の形で文章に出てきたら名詞的用法であると理解できる。

この用法の使用頻度はあまり高くありません。

” पर्छ “-(parchha)とセットで使用するとき

ネパール語मैले यो काम गर्नु पर्छ |
発音maile yo kaam garnu parchha.
意味私はこの仕事をしなければなりません。
(私はこの仕事をするべきです。)

関連記事:“पर्छ”(パルチャ)のいろいろな用法-ネパール語文法

目的語として使用するとき

ネパール語अहिले उहाँसंग भेट्नु राम्रो हो |
発音ahile uhaansanga bhetnu ramro ho.
意味今、あの方と会うのは良いことだ。
(今、あの方と会うことは良いことだ。)

動詞の最後が変化する他の場合

ネパール語では動詞を原形のまま使用することは基本的にありません。あるとすれば、文法を説明する文章のような場合かと思います。

基本的には、活用する場合に語尾が変化します。

例えば、今までに記事にした現在形、命令形、まだ記事にしていない過去形、未来形、完了形などがあります。

参考記事:動詞の活用(単純現在形)-ネパール語文法

参考記事:命令文「しなさい、してください」-ネパール語文法

それらを、分詞の形で用いる場合は意味が変わって動詞を形容詞のように使う事が可能になります。

語尾がエコ” एको “-(eko)になったり、ネ” ने “-(ne)になったりする場合です。今後、順番に文法の記事で解説するのでお楽しみに。