ネパールで安全に運転するには

ネパールで安全に運転するには

ネパールは、言わずと知れた交通ルール無法地帯です。東南アジアは大体どこも同じかと思うのですが、大半の人の一般的な交通手段というのはバイクです。ここはバイク専用道路かと思うくらいバイクが多いです。ちなみに、ネパールで自動二輪車はモーターサイクル、スクターはスクーティと言われています。

もちろん、バイクの購入は一般人の年収並みの値段がするのですが、借金をするなり、中古の壊れかけを買うなり、なんとかして手に入れます。もちろん、路線テンプ―、乗り合いバス(ハイエースか中型バス)、地方自治体経営の大型バスなども走っています。しかし、いつ来るかもわからないし、満員で乗れないこともあるので、急ぐならバイクです。

ちなみに、余談ですが乗り合いバスとして多用されているトヨタのハイエース(11人乗り)は、満員で25人くらい乗ります。テンプ―というオート三輪者は車体は軽ワゴンくらいですが満員では14人乗って、さらに車外後方に2,3人ぶら下がっています。乗り合いの中型バスに至っては、走るときは人の重みで傾いています。

さて、観光地という事もあってカトマンズやポカラなどでは貸しバイクがあります。カトマンズでは隠れ営業が多く、ポカラではレイクサイドの道沿いなどにあります。外国人にも貸してくれるのですが、厳密にはネパールの免許が必要です。ネパールはジュネーブ条約に加盟していないので、国際免許はあっても意味がありません。日本大使館もネパールの免許がない場合乗らないようにと声をかけています。外国人には目をつむっているところもありますが。。。

バイクがあると、どこでも行けるし、物も運べる、交通手段を心配して時間に縛られる事も無い。良いこと尽くしです。でも、あなた、自分の命を危険にさらしていますよ。その辺り、詳しくお教えします。

まず、ネパールで運転している多くの人が免許をそもそも取得していません。郊外の方では子供が運転していることも多く、免許を取るための運転の練習も行動で行っています。また、運転者はヘルメットをかぶる必要があるのですが、郊外や田舎の町の中では、ヘルメットをかぶる必要はないというローカルルールがあったりします。もちろん違法です。カトマンズでは減りましたが、パタンでは、ノーヘルで運転している人もたくさんいます。

バイクの乗車店員は2名ですが、3人乗りしている人もたくさんいます。また、子供であれば人数として数えないと一般的に考えられているので、4人乗りしている人も多いです。また、電動スクーターはエンジンが無いので免許なしで合法で乗ることができます。

免許に関して言えば、取得時の試験でスクーターは10問中3問正解、車は20問中10問正解でパスすると聞いたことがあります。それでも、落ちる人が多く、ルールを知らない人が多いです。そして、みんな守らないので、無法地帯になります。写真で確認してみましょう。

これは、とある交差点の信号待ち(基本的に手信号)の時、私がバイクから携帯で撮ったものです。オレンジ色のラインがセンターラインです。そして、目の前に写っている人たちはみな停止すべきラインの前にせり出しています。スペースが少しでもあれば、前へ横へどんどん割り込んできます。そして、すでに反対車線には車が侵入できない状態になっています。ネパールは信号赤でも左に曲がっていいので、 この状態で右端の大外から前に出て左にバイクも車も曲がっていきます。結果、どんどん渋滞になってしまうので、 交通警察の人は 信号を変えざるを得なくなります。ちなみに、歩行者は信号を守りません。車がバンバン走っていても、普通に渡っていきます。

こちらは、パタンのマンガルバザール近くの交差点です。画面左上と右上に信号があります。しかし、誰も見ていません。右から左からどんどんバイクがやってきます。突っ込んだもの勝ちなのです。その間を歩行者と野良犬が駆け抜けていきます。そして、停電になると信号は消えます。

ということで、交通ルールを知らない人が半分、交通ルールを知っていても守らない人が4割。つまり、9割以上の人が私たちには考えられない動きをするわけです。それで、事故にあう確率はものすごく高くなるわけです。

センターラインなどはあってないようなもので、スペースがあれば反対車線だろうが、突っ込んできます。逆にパッシングして、避けるように要求してきます。これは、リングロードなどの幹線道路でも同じです。すべては早い者勝ちなのです。また、道の真ん中ですれ違う車と車が停車し、運転手同士が挨拶をしているという事も良くあります。バスに至っては左に寄らずに、そのまま道の真ん中で止まったりします。一応、バス停以外で止まってはいけないのですが、それが守られているのはカトマンズの都市部だけです。その他の場所では、乗客がおりたければ、バスを止めることができます。

安全に運転するには、ネパールの交通はどのように成り立っているかを知る必要があります。自分だけ、日本的な運転をしていたら邪魔になりますし、事故の元です。ということで、ネパールに安全に走るための私的3大原則をお教えします。

  1. なんとなく道路の左側を走る
  2. 交通警察官には従う
  3. 低速走行しつつ、すべては自己責任

バイク同士の多少の接触は日常茶飯事です。事故にあったら自分の身は自分で守りながら、誤らないようにしましょう。私は後ろから追突してきたバイクに、急いでるのにバイクが壊れたと言われ、逆にお金を払わされたという事もあります。今では、図太くなりネパール人と対等に話して相手を言い負かすこともあります。

なので、ネパール在住でネパールの免許を持っている方以外は、できるだけ運転は避けましょう。