夜の散歩は落とし穴に気を付けて-ネパールの道路工事
ネパールの道は落とし穴にあふれています。
トップの写真はパタンのマンガルバザール付近の路地の早朝の景色です。道の真ん中に大きく溝が掘っているのが分かりますか?
これは普通の下水工事の光景です。罠ではありません。
どうしてこうなってしまうのでしょうか?
ネパールは急速に発展している
ネパールはここ数年で急速に発展しています。カトマンズ盆地内ではほとんどの道が舗装されてきています。
そして、水道インフラも発展しようとしています。巨大な水源から水を引く予定なので、すべての家に水道管を引こうとしています。また、今まで小さかった下水管を大型のものに交換しようとしています。
今まで下水管をただ埋めただけでしたが、メンテナンスできるようにマンホールも作ろうとしています。
都市部は急速に発展が進んでいるので、数年のうちに都市部は東南アジアの他の国と同じようになるかもしれません。
しかし、残念なことに事故も相次いで起きています。特に、穴に落ちるという事故です。
道路状況と交通手段の向上によって、若者たちはスピードを出してバイクで走行するようになっています。まぁ、道に穴があると落ちますよね。
どんな感じで穴があるかというと、工事中の道路で非舗装なんですが、突然何のサインもなく道に穴が出現するのです。日本ではありえません。こんな事が日本であったら訴えられてしまいます。
しかし、ネパールではこれが普通なんです。
作業分担が違う
ネパールでは何でも分業が普通です。というか、自分の仕事しかしません。道路工事もそうなっており一人の人がすべての作業を行うという事はあまりありません。
穴を掘る人はスコップで穴を掘る人、ドーザー(ユンボみたいなの)を使う人はメインの穴を掘るだけ、現場監督的な人は指示するだけ、技術者は技術仕事だけ。そんな感じです。
誰かが穴に落ちようが、それは自分の分担ではありません。そして、通常安全を確保するのはトールサミッティー(町内会)の作業です。
上の写真の場合は、安全に配慮して車が来ないようにパイプ(土管)を置いていますね。
残念ながら、通常このような作業はしてくれなくて、トールサミッティや近所の人が出てきて、「危ないからそこにパイプを置け」と指示すれば、ドーザーの運転手が仕方なくやってくれるぐらいです。
道の封鎖も近所の人が大抵自分たちでやっています。
この場合も、この路地の向こう側には工事中のサインはありませんでした。
工事中だとサインを出してくれればまだ良い方です。
道を進んでいると前触れもなく工事に出くわすことの方が多いです。もし、止まれなければそのまま穴にダイブです。
上の写真では「道は通れません。下水管の作業中です。」と書いてある看板が置いてあります。
でも、穴の後ろに置いておいても全然安全じゃありません。もっと手前に置くべきですよね。
こういう状況のため、近所の人が気付いたら紐を張ったり、はり紙をしたり、穴に気づくように竹を縦に突っ込んで遠くからでも分かるようにしてみたりします。
夜道の一人歩きは危険
このような道路工事は当然一日では終わりません。何日もかかる工事期間中、夜中はどうなっているのかというと、そのまま放置です。
ネパール人は目が良くて夜でも結構見えるようなのですが、車やバイクに乗っているとそうはいきません。
このまま放置されるので、竹などを突っ込んで分かるようにしていなければ、人が落ちたり、車のタイヤがはまったりします。また、道を掘ったばかりなので土が柔らく、コケやすいという問題もあります。
今までは、全くインフラの整っていない田舎に新設するために工事が行われるだけだったので、人への影響は少なかったんですよね。しかし、最近はというと工事が活発に行われており、都市部でも拡張工事など作業中のまま放置されていることが多くなりました。
ですから、夜道を歩く時は注意してください。
夜道はライトで道を照らしながら歩くことをお勧めします。でないと、穴に落ちて怪我をするかもしれません。実際、穴に落ちて亡くなった人もいます。
こういう状況をネパールではアベバスティット(整っていない)と言います。人もインフラも作業の仕方も、まだまだ成長途中です。
ネパールに来る皆さんは、どうかお手柔らかに。ネパールはダメな国と決めつけないでください。これから良くなる伸びしろの大きな国と見てくださいね。
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