ククリは持ち出し禁止なのか?-ネパールのお土産
ネパールに観光に来られた方なら一度は目にするククリ。警備員の腰についていたり、お土産屋さんで目にします。
ククリとは、ネパール特産の曲がったナイフの事です。1メートル近い巨大なものから、飾るためだけの僧職の施された数センチのものまで多種多様です。
カトマンズの観光地ナンバーワンのタメルに行けば大量のククリ屋さんが並んでいます。これ、人気なんでしょうかね?
ネパールの特産はナイフじゃなくて兵士だった!?
ナイフの話から兵士の話になぜなるかというと、このナイフはネパールの兵士が使っていたからなんですね。
皆さんは、ネパール人の傭兵が世界中で活躍していることをご存知だろうか?
イギリスの外人部隊や女王を守る直属の兵士、国連平和維持軍、マレーシア軍、アメリカ海軍、シンガポール警察など、世界の様々なところで活躍する無敵と恐れられる兵士がいます。
彼らはグルカ兵といわれ、ネパールの山岳民族出身の死をも恐れない戦士です。グルカ族という民族は存在せず、約200年ほど前にネパール王国(ゴルカ朝)の時、イギリス東インド会社との戦闘で先進国の兵士たちを恐れ挿した強い兵士たちが元になっていると言われます。
参考:グルカ兵ー世界最強兵士の伝説的な強さや歴史と知られていない話まで
ネパールにはゴルカという地名もあり王朝もありました。そこが語源になっていますが、英語ではグルカという発音になっているようです。
彼らは刀身が内側に湾曲したククリと言われるナイフを持っています。大きさはさまざまで刃渡り30センチほどのものから、水牛の頭を落とせるほど巨大なものまであります。
死を恐れる事のない最強の兵士集団、それがグルカ兵なわけです。銃がメインの時代にナイフで有名って、どれだけ戦闘能力高いんだって思います。
現にイギリスには負けたものの、戦闘能力の高さを買われてイギリスをはじめ世界中で活躍するネパールの売りの一つです。
極貧国なネパールにとっては、彼らの個人の生計の手段でしかないのですが、退役したグルカ兵は死ぬまでの生活が保障されており、家族も悠々自適で生活できるほどにお金がもらえるそうです。
ククリ・ナイフは兵士マニア、ナイフマニアのお宝
グルカ兵が使った本物のククリはマニアの間ですごい人気だそうです。
そんな血にまみれたものではなくても、家に一本でも飾っておきたいのがククリだそうなのですが、私の友人にもソフトな収集家の方がおられます。
ネパールに行くと言ったら「ククリ手に入らないかなぁ?」と相談されたのを覚えています。その次はグルカ兵がいかにすごいかの話を延々と聞かされるのですが。。。
とにかく、お土産として価値が高いそうです。
といっても、そんな大きい刃物を持ち帰りたくはないですよね。銃刀法違反で捕まったら話になりませんし。
それでも、タメル地区を歩いているとナイフ屋さんで珍しそうにナイフを手に取って眺める外国人の方がたくさんいます。
高いものは数十万円するものや、柄に翡翠を埋め込んだものや、金を塗したのものから様々です。
私も以前に1本購入したことがあります。例の日本の友人へのお土産です。
ククリは持ち出し禁止って本当?
そんなククリ・ナイフですが、持ち出し禁止で、空港で没収されると聞いたことがあります。
確か友人も日本に持って帰れないから無理しなくてもいいと言われた記憶があります。
じゃぁ、なんで売ってるんだって話になるんですが。
そんなことすっかり忘れていた私は友人にお土産も買って嬉々として空港に向かいました。
そして、空港係員に「荷物にククリは入っていますか?」と聞かれて、反射的に「はい、入ってますよ」と笑顔で答えてしまいました。
「ククリは持ち出しが禁止されていますので、ここで荷物から出してください。」と言われました。
はい、残念賞。真ん中にしっかりと「禁止」って書いています。
このままククリ・ナイフは没収となるのでしょうか?
日本に持ち帰る方法はある
しかし、よく説明書きを読むと「中国では保護対象のため持ち込み禁止」って書いてあります。
確かに、ここ最近中国は締め付けが厳しく、リチウムイオン電池が規制されたり、刃物は預け荷物でも場合によって取り上げられたりと、面倒なことが増えていました。
この時の私は中国東方空港でしたので、すぐに友人に電話して空港まで会衆に来てもらいました。そして、別の友人がタイ経由で日本に戻ることを聞きつけお願いしたところ、日本への輸送に成功したのです!
もちろん、合法です。ご安心ください
中華系航空会社は中国経由になるため、一度入国が必要になり、没収されてしまいます。しかし、その他の国であれば、預け荷物に入れておけば問題ありません。
もちろん、大きすぎる物はどこかで検査に引っかかることはあるかもしれません。どちらにしても、自己責任でお願いします。
私は小さなククリでしたので、何の問題もなく日本に持ち込みができ、友人にお土産として渡すことができました。
ククリを購入予定の皆さん、中国経由はやめましょう!そして、ナイフを購入しようとしている中国人の皆さん、取り上げられちゃいますよー。
まとめ:空の旅はいろんな規制がある
問題になるのはククリだけではありません。
空の旅には航空法というものが関係して、持ち込みが制限されるものがたくさんあります。ご自分の利用する航空会社、経由する国の法律、目的地の法律、日本の法律を良く考慮して何を運べるのか、何を運べないのかよく考えましょう。
特に中国経由の皆さん、規制対象品がいろいろ変わってきています。リチウムイオン電池を含めあらゆる電池は手荷物しか許可されていません。
では、みなさん安全な空の旅をお楽しみください。
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