物価の高いネパールでコーヒーを楽しむ

物価の高いネパールでコーヒーを楽しむ

今日は1年半ほど前にも記事を書いたカランキのBuddha Organic Coffee Industry Pvt.Ltdさんに取材に行ってきました。

ネパールでの物価は毎年着実に上がっています。そのくせ人々の給料は上がっていません。店員さんで月収7,000ルピー、半日業務の病院で3,500ルピー、良い会社や公務員でも10,000万ルピーから15、000ルピー程度しかもらえません。それでも、都市部の家賃は一部屋5,000ルピーを超えるところが多い。そんな中、格差は増える一方で、最新型iPhoneを持つ学生や、自家用車を持つ人も増えています。カフェに至ってはネパール人がたくさんいるようになりました。

私がネパールに来た6年前はカフェも数えるくらいしかなく、チヤ屋さん(地元の喫茶店)コーヒーと言えばインスタントコーヒー、エスプレッソやカフェラテは100ルピー以上していました。今では都市部では町中にある近代的カフェで、普通に飲めるカフェラテ。もちろん、一杯150-200ルピーと高額です。そのコーヒー豆はどのようにして商品になるのか、興味があったので取材に行ってきました。

豆の選別をする雇われ店主のお姉さん

ブッダコーヒーはネパールのスーパーで売られているコーヒー豆の中では安い方です。昔からあるメーカーの一つで、バトバテーニでは今500g750ルピーで販売中。他のメーカーは美味しいものも、そうでないものも、同じ量で大体800ルピーから1,000ルピーくらいします。ちなみに、スーパーでは期限切れや焙煎してから1年以上たつ古いものもたくさん売られているので注意してください。

契約農場から来る生豆をまず選別します。熟していないもの、殻、ゴミなどをはじいていきます。まずは、竹で編んだ平たいお盆にのせて、上下に振って塵やごみを落とします。として、手で一つ一つ分けていきます。形がきれいなものは豆のまま販売する分、形が崩れていたり割れているものは挽いて粉の状態で販売する分として選別します。そして、ストックしていきます。

実際、この選別作業が手作業のため一番時間がかかるのだとか。ここは基本、作り置きはしません。オーダーが来てから必要な分だけを焙煎して、パッキングして発送します。その際、焙煎の具合も指定することができます。ここのローストは基本三種類で、ダークロースト、ホテルロースト、ミドルローストです。スーパーで売っているのは、ダークローストとミドルローストです。

ダークローストはエスプレッソ向けで、我が家では水出しアイスコーヒーに使用しています。ミドルローストは日本の一般的なレギュラーコーヒーよりも少し浅煎りな気がします。ホテルロースト(ダークローストとミドルローストの間)は、レストランに卸す専用品です。こちらが、一番おいしいと感じるのでドリップコーヒー用は私はいつもこれを購入します。ダークとミドルの間のローストと言えば売ってもらえます。

私は知らなかったのですが、コーヒー豆は焙煎してすぐに飲んでもおいしい味は出ません。焙煎して3,4日経ってからいい味が出るのだとか。試しに焙煎直後の豆をごちそういただきましたが、おいしいものではありませんでした。すぐに飲みたいときは、いつ焙煎したのかを聞いておくとよいかもしれませんね。

我が家はコーヒー豆のまま買って、飲む前にデロンギのグラインダーで引いてからドリップします。グラインダーがある場合は、豆のまま保存している方が長期保存できます。挽いてしまっていると、早く古くなってしまい酸っぱくなってしまいますので、ご注意を。

生豆を上下に振るいをかけて不要なものを取り除いているところ

基本的に女性しか働いていない気がします。ネパールでは女性に働く機会を与えるよう運動している団体がたくさんありますし、基本的に男性はまじめに働きませんからね。まじめにこつこつ働く女性は素敵です。働きに見合う対価をもらっているかはいつも心配になります。みなさんとても気さくでインタビューに答えてくださいました。

周りや床が汚いのはいつものことです。ネパール的にここはとても衛生的な工場です。普通の一軒家の一階ですけどね。ちょうど焙煎する機会は止まっていたのですが、焙煎中はとてもいい香りがしています。試飲のためにドリップコーヒーマシンと家庭用のエスプレッソマシンも置いてありますが、あまり飲まないみたいです。いつでも試飲させてくれるので、ぜひ頼んでみてください。自分の気に入ったローストを購入しましょう。

焙煎室にある焙煎マシンと豆を挽く機械。
部屋の外には仕分けされていないコーヒーの生豆が積み上げられている。

そうなんです。ここは卸の工場でありながら、一般販売もしてくれるんです。もちろん、外には看板も出ていないので見つけるのは大変ですが、現在はGoogleMapにも載せられています。住所としてはキルティプルになりますが、カランキのバトバテーニのちょうど反対側から中に入っていった路地の先にあります。ネパールでは工場でも個人で買い付けできるのがいいところ。仕事人間ではないので、手を止めて話を聞いてくれますし、頼めば工場内を案内もしてくれます。発展途上国の良さですね。

私はいつも500グラムを3,4袋買います。友人たちに頼まれたときは10袋くらい買うことも。しばらく買いに来ないと「しばらく来なかったけど、日本に帰っていたの?」と聞いてくるほど人懐っこい人たちです。数袋であれば常にストックがあるので個人用途であれば、いつでも連絡なしで購入できます。

矢印の先の家が工場。一年半前と比べると色も塗ってあり、近所も開発されています。

本日は、ネパールのカトマンズ、カランキにあるブッダオーガニックコーヒーさんにお邪魔しました。お近くまでお越しの際は、ぜひ見学に行ってみてください。お電話の際はネパール語、もしくは英語でお願いします。

会社名: Buddha Organic Coffee Industry pvt.Ltd

住所: Kirtipur, Kathmandu, State-3, Nepal

電話番号: +977 1-5219599