活気あふれるネパールの卸売市場-安く大量に買うならカリマティ

活気あふれるネパールの卸売市場-安く大量に買うならカリマティ

新鮮なものを手に入れるには大きな市場へ行く。これ、世界の常識かと思います。

野菜、肉、魚など、まずは大きな卸売市場に送られ、そこから小売店に卸されます。私たちが手にするのは小売店なわけですが、卸売市場でも買うことはできます。

例えば、豊洲ですね。おいしい魚を求めて、個人でも見に行きますよね。

ネパールには海がありませんので、海の幸はあまり手に入りません。その代わり山の幸、野菜や果物はたくさん手に入ります。

では、ネパールの卸売市場に行ってみましょう。

野菜と果物と言えばカリマティ市場

カリマティはカトマンズの中心部から少し西側にあり、リングロードのカランキ交差点から東に進んだバグマティ側の手前にあります。

ハイウェイから近く立地も最高のところにあります。カトマンズ盆地内のどこに行くにも比較的便利な位置にあります。

英語での正式名称は「Kalimati Fruits and Vegetables Market Development Board」で、その名の通りカリマティという所にあります。

カトマンズ外やカトマンズ周辺の野菜は業者によって安く買いたたかれ、ほとんどがこの市場に持ち込まれます。

小売店は大体ここで仕入れて店にもっていきます。ですから、小売店で買うよりは少し安くなります。

聞いた話ですが、朝の3時とか4時でも開いているとか。朝一で野菜を買う人も多いので、ここで仕入れして朝6時くらいに小売店に届けられることもあるようです。

大きなお店などはお昼に仕入れをして、夕方にお店に届くようにしているように思います。

とにかく、ここで手に入る物は新鮮です。大量購入すれば安く手に入りますし、値段交渉も活発に行われています。

一般人が購入するのは小売りゾーン

入り口から入ると、左手前に見えるのが小売りゾーンです。

Kalimati Retail Market – Outside

入り口に「खुद्रा बजार」(Khudraa Bajaar)と書いていて、一般の方はここで購入します。普通の野菜屋さんの大きい版ですね。

自宅の食事のために購入に来たりするとキロ単位では買わないので、そういう場合はこちらで購入します。

Kalimati Retail Market – Inside

ここで販売しているものに、萎れていたり、古くなったりしたものは殆どありません。いくつもお店が並んでいるのですが、値段の違いは余りありません。

まぁ、ネパールは基本野菜がとても安いので、小売店より値段は安いですが、ここまで交通費を出して購入しに来る意味はあるのかとも思います。

でも、小売店では仕入れたものを全部売らないと損になるので、その地域で良く売れるモノや安いものしか仕入れません。そのため、自分は欲しいけど地域で需要がない、もしくは値段が高いので売れにくいものは、カリマティに自分で買いに来るしかありません。

小売りゾーンでは、グラム単位で購入できるので、お勧めです。

ネパールに在住の方は是非一度買いに行ってみてください。品ぞろえはかなり良いです。

大量購入は卸売ゾーンへ

ゲートを入って奥に進み、左にぐるっと回ると細長い建物が見えます。これが、卸売ゾーンです。

Kalimati Wholesale Market – Outside

多くのお店がトラックで横付けして仕入れに来ているのですぐわかると思います。

ここでは、一般の人も購入できると思いますが、大量購入のみになります。

例えば、小さな軽い野菜でも数キロ単位での購入になります。品ぞろえは小売りゾーンとあまり変わりません。

Kalimati Wholesale Market – Inside1

小売りゾーンでは色々な種類の野菜が一か所に所狭しと並んでいましたが、卸売ゾーンでは種類ごとに大量に並んでいます。

それぞれの単位で大量購入ができるのですが、小さなレモンなどは1キロとかでも購入できます。

購入してもらいたいので、見栄えをよくするために、野菜を水でぬらしたり、磨いたりしています。この中では商売しようという意気込みが見れます。

ネパールでは、売る気がないかのような小売店の店主が多い中、ここでは活気があるので楽しいです。

Kalimati Wholesale Market -Inside2

ジャガイモとか玉ねぎとかは50キロ単位での購入のようです。ネパールではボウジュといって、大量の人を呼んでご飯を食べさせる機会が多いので、そういう場合はここは便利かもしれません。

でも、小売店に並んでいるものよりも明らかに質が良いように思いました。恐らく、畑から届いたばかりなのでしょう。

ネパールで野菜が安い理由

ネパールでは、田舎の地域で野菜を大量に作っている農家がいます。田舎だったり、タライ地方だったり、とにかくカトマンズから遠い広い土地のあるところで作られています。

彼らは、大量に作っているけど、売る手段がありません。車を持っていなかったり、売りに行くための送料を払う現金がないなど、いろいろと理由はあります。

そこへ、ブローカーがトラックでやって来て、見渡す限りの畑一面の野菜をものすごい安い値段で買いたたいていきます。それを、カトマンズに運んで売り裁くわけですね。

中には、買い付けと販売が分かれている場合もあり、ブローカーが何重にも噛んでいるため、1キロ数ルピーの安さで買い叩くそうです。

そして、卸売市場に届いた後は、小売店よりも少しだけ安い値段で売ることになるので、ブローカーのもうけはかなり大きいそうです。

そのため、カトマンズ近郊では自分の畑や村で取れたものをトラクターに載せて、はるばるカトマンズに売りに来る事もあります。

彼らはダイコンやキャベツ、人参など、トラクターに一種類の野菜を山盛り載せて売りに来ます。市場ではなく、街の中の道に突然現れます。そして、人だかりになります。

ブローカーが噛んでいないため、小売店の半額くらいで購入できたりします。見つけた際は即買いですね。このように、少し努力をすれば農家でも現金を手に入れることができます。

買いだめはしないネパール人

ネパールでは、高級家電の冷蔵庫は殆どの人が持っていません。まぁ、高級家電というよりかは、電気代を掛けたくないだけだと思うのですが。

冷蔵庫を持っている人でも、多くの人が冬場は必要ないと電源を抜いています。

冷蔵庫を使わないので保存がきかないこともあり、毎日その日に必要なものだけを購入します。ですから、市場から届いた新鮮な野菜を手に入れることができます。

そんな生活のため、買いだめをする人は殆どいません。そのため、地震の時もお店から物が消えるという事はあまりありませんでした。

我が家でも、あまり買いだめはしていません。

常に安いものを探しスーパーを旅する日本の主婦の皆さんは努力家ですね。ネパールでは、値段が高いと買いませんし、その日やすく手に入る物で生活しています。

どっちがエコなんでしょうね?