買い付けに向いているのか?-ネパール文化の特徴

買い付けに向いているのか?-ネパール文化の特徴

ネパールには毎年たくさん外国人が観光や自分探し、買い付けなど様々な目的で来られます。しかし、思ったようにいかずに諦めてしまう方も多いです。

それは、ネパールの文化背景に基づいて、ネパール人がどういう人かをよく理解していないためです。

正しく相手を理解して適切な対応をとればネパールは買い付けに向いています

この記事では、ネパールの文化を元に彼らがどんな人なのかを理解し、買い付けの際に何を気を付ければよいのかを説明します。

ネパールの文化の特徴

ネパールの文化は独特です。ビジネスをされる方ならきっちりされていると思いますが、ネパールはその真逆です。

その点を理解していないと痛い目にあります。

相手を理解して最適解を出すために、彼らの考え方を見てみましょう。

時間にものすごくゆるい

「ビスターレイ」という言葉はネパールでとても重要です。意味は「ゆっくり」です。

時間にゆるいのはネパールでは美徳です。

相手が去っていくときによく言うネパール人の口癖に、「ビスターレイ ジャノス」(ゆっくり行ってください)というものがあります。これは、日本人が「気を付けて」と言うのに相当します。

また、作業を「やってください」「続けてください」という代わりに「ビスターレイ ガルノスナ」(ゆっくりやってください)と言います。

このような言葉を言っている側も、文字通りに「ゆっくり行ってほしい」訳でも、「ゆっくり作業してほしい」訳でもありません。

でも、そのように言うのです。

ネパールでは一般的なお店の開業時間は10時です。

その場合、日本では開店時間の1時間前か30分前に着いてすべて準備をして、10時きっかりにシャッターを開けたらすぐに商売ができる状態にしますよね。

ネパールでは10時か10時過ぎに店に着いてシャッターを開けます。そこから掃除をして、片付けて、11時くらいからゆっくり仕事を始めます。その時にお客が来ても「エクチン パチ アウノスナ」(もうちょっと後で来てください)と追い返すことも多々あります。

また、結婚式や何かの催し物で人を呼ぶ事があっても、時間通りに始まりません。1時間、2時間遅れて会場に着いても、ついさっき始まったという感じです。

オーダーの仕事であっても、期日に数日遅れることは当たり前の事です。

もちろん、頭が悪いわけではないので、ちゃんと教えればだんだん時間通りできるようになります。

とりあえず嘘をつく

ネパール人は正直者です。相手をだまそうと思って嘘をつくことは少ないです。

それでも、相手が傷つかないために、自分が恥ずかしくないために、簡単に嘘そをつきます。ただし、悪意は一切ありません

例えば、「オーダーの品を作る作業はできているのか?」と聞くと、「フンダイチャ」(やってるよ)とか、「サクナ ラギョ」(もうすぐ出来る)とか言っておきながら、客が帰った後にやっと作業に取り掛かるという事がよくあります。

他にも、ラガンケルからバクタプルに行く時に中間地点にコテショワールという大きな交差点があります。

ラガンケルから出かけてバスに乗っているはずの人がラガンケルの喫茶店でチヤを飲んで休んでいます。そこに相手から電話がかかってきます。そして、まだ出発すらしていないのに「今、コテショワールだから、もうすぐ着く」と答えるのです。

こんなことは日常茶飯事です。

そのため、工場に商品を作るようにオーダーしても、電話やEメールだけで彼らを信じてはいけません

ビデオ通話で状況を見せるようにいうか、写真を送らせる、直接見に行くくらいでないと話になりません。

彼らとしては、本当のことを言えば悲しませるので、とりあえず「作業は順調だ」と言っておき、あとで調整すればいいと思っているのです。

でも、当然どんどんスケジュールは遅れていき、最終的にはデッドラインになってから半分もできていないということになります。

挙げ句の果てには、「○○が足らなかったので」、「△△という問題があったのでできなかった」などと言い訳します。

そのため、定期的に進捗をしっかり確認し、本当のスケジュールを教えず、余裕を持って終わらせるようにコントロールする必要があります。

良かれと思ってやりました

ネパール人は相手に親切にしたいという思いがとても強いです。そのため、相手が喜ぶことを喜んで行います。

ただ問題があって、「自分が良いと思っていることは相手にとっても良い」と本気で思っています。

例えば、シンプルなモノトーンのカシミアセーターを注文したのに、模様が入っているという事があります。「この方がかわいいと思って」とか言ってきます。

他にも、薄いピンク色のウールの履物をオーダーしたのに、色がなぜか真っ赤に変わっているという事があります。「赤の方がよく売れるから」とか言ってきます。

機械の部品が壊れたので、その部品の新品交換を依頼すると、分解して壊れた部品を頑張って修理します。そして、「まだ使えるから修理した方がいい」とか言ってくるのです。

お客の言った通りに作業するということは99.9%ありません。

そのため、初めから指示通りにするように教育し、定期的にその通りに作業しているかを確認する必要があります。

どうにもならないことは仕方がないじゃないか精神

このブログでも何度か取り上げていますが、ネパール後には「ケ ガルネ?」(どうすればいいんだ?)という言葉があります。

この言葉はどうしようもない時の言い訳によく使われます。

そのため、どうしようもないから仕方ないと言って、期限に間に合わない、思った品質にならない、働き手がいないということを正当化します。

そういう精神が溢れているので、どうにもならないから逃げ出すという事件が頻発します。

思っていたよりしんどいから、思っていたほど給料がもらえないからという理由で突然従業員が逃げてしまうのです。

また、ダサインなどの国民的行事や家族の問題が発生した時には、仕事を放って田舎に帰ってしまう事があります。

それで、そういった状況にならないように職場や仕事をコントロールして、不要なストレスに晒されないように守ってあげれば良いのです。

ネパール人相手に気をつけるべき事

スケジュールを管理してあげる

ネパール人は文化的に時間に非常にルーズです。

そのため、期限は最初から正しい期限を伝えてはいけません。

何か問題があった時でも十分修正が可能な時間をあらかじめ計算して、早め早めに作業させれば問題ありません。

また、ネパールから商品を国外に持ち出すにも色々と問題があり、交通や郵送の問題があるため、そちらも十分予定に余裕を保ってスケジュールする必要があります。

品質を管理してあげる

ネパールには品質が異常に悪いものが溢れています。

というのも、日本やアメリカが中国の工場で商品を作って、品質管理で弾かれたB級品がネパールに流れてくるという構図があります。

そのため、日本のように完璧に近い高いクオリティの品質には慣れていません。

人間なんだから失敗して当然、「まぁ、これでもいいか」という考え方をしています。

それで、カシミヤ、ファシミナ、ウールなどの工芸品がありますが、ほつれや小さな穴が空いているということは彼らにとって普通です。

足りなくなった毛糸は途中で結んで足せばいいと思っています。

そのため、日本で求められている品質がどれほど高いのかということを初めからしっかりと教育する必要があります。

また、製造工程を何段階かに分ける事ができるなら、その都度品質をしっかりチェックする必要があります。

言うべきことははっきり伝える

「こうしてくれたら嬉しい」「ああしてくれたら助かる」などという言葉でネパール人が意図を汲み取ってくれることはありません。

「こうしなければならない」「絶対にああしなければならない」「そうしないと売れない。作ったものはゴミになり、お金は払えない。」とはっきりと伝えてください。

そうしなければ、「あ、絶対じゃないならまぁいいか」と思ってしまいます。そして、自分が良いと思う方法で突き進んでしまいます。

そのため、指示を伝えるときははっきりと確実に伝え、ちゃんと理解しているか確認してください。

お金を管理してあげる

ネパール人は素朴で欲がないように見えて、欲に溢れています。思ったほど正直でもありません。同じ人間です。

それに加えて、時間にルーズな点からも分かるように、計画したり、計画通りに物事を進める事がものすごく苦手です。

開発資金や運転資金をまとめて渡してしまうと、それを使い込んでしまいます。必要な時にはそのお金がないということになってしまいます。

例えば、ネパールでは時給30ルピー程度であり、お店で商品一つ売っても数ルピーの儲けなのに、知り合いや買い物をしないお客さんにまで、一杯25ルピーもするチヤを御馳走します。

はっきり言って損益の感覚が皆無です。

会社のお金をとりあえず必要な個人のお金に回してしまい、お金が足りなくなるなんてこともよくあります。

そのため、必要な時にその都度お金を渡す必要があります。

お金の管理は自分でするか、絶対に信用できる人に任さないと痛い目に遭います。

ネパール特有の問題

努力家を見つけるには給料と性別が大切

良いマネージャーの元では、良い従業員が育つというのは幻想です。

ネパール人によい仕事をさせるには、給料と性別が大切です。

まず、多すぎず少なすぎない給料を支払う必要があります。一般的な給料7000ルピーから1万ルピー程度では、従業員はしんどくなるとすぐに逃げます。

時間でなく、成果に沿った給料を割り当てれば頑張ります。しかし、固定給にしていると、すぐに仕事から手を抜きます。

また、雇う人の性別も大切です。

もちろん育った環境や性格にある程度左右されることなのですが、ネパールでは男性はナマケモノです。はっきり言って気分屋で仕事をしません。

チヤを飲んで休憩して、無駄話ばっかりしていて、手が動きません。

それに比べて女性は言われたことを守り、黙々と仕事をします。

話しをしていても、手を動かして仕事を進めます。

信頼できる人に任せるか、自分で従業員を管理して、よく見張る必要があります。また、従業員には優しくして、頑張りを認めるようにしてあげましょう。

ビジネスを奪われないように気を付ける

ネパールでは、著作権、特許権とか一切守られません。法律では規定されていますが、一般的に守られておりません。

そのため、ビジネスは普通にコピーされます。

ビジネスモデルすべてを見せてはいけない

ネパール人はとにかく真似をします。

日用品店が儲かることが分かれば、既存のお店のすぐ近くに同じような店を開きます。それに気づいた他の人がまた似たようなお店を近くに開きます。

このようにして、地域のビジネスチャンスをみんなでつぶします。

とにかく楽がしたいので、自分で苦労して何かを生み出したりしようとは思いません。真似をすればいいと思っています。

そのため、従業員や仕事を管理させる人たちにすべてを見せてはいけません。

全体像を知ってしまうと、それを自分でやった方が得だと誤解し、同じような仕事をすぐ近くで開業されてしまいます。

技術をすべて教えてしまってはいけない

ネパールではよくあるのですが、儲かっているところに弟子入りし、仕事を覚えたら上司を裏切って逃げ、お客も奪います。

私の知り合いのおいしいパン屋さんでの出来事です。

友人が「仕事が大変そうだね。私が手伝ってあげるから一緒にしよう。」と言ってきました。信用して、仕事を教えて、ある程度パンが焼けるようになると、急にやめて音信不通になりました。

その後、隣町でパン屋を開業していることが発覚しました。

他にも、私の知り合いの電気屋さんでの出来事です。

「とにかく頑張るので働かせてください」という男の子に、仕事を教えて技術を身につけさせました。やっと一人で仕事ができるようになったころ、一人で現場に行かせました。

その翌日、「調子が悪いので仕事に行けない」と連絡があり、長く休むようになりました。手を付けかけの仕事場が気になり、尋ねに行ったところ病気のはずのその男の子が仕事をしていました。

話を聞くと、友人のお店より安い金額で仕事をするというので、その男の子に任せたとの事でした。つまり、親分がピンハネするお金目当てで、技術とお客を盗ってしまったのです。

今その男の子は逃げてしまい、音信不通です。どこかで、電気屋を開業していることでしょう。

そうなんです。ネパールでは、技術を一から十まで教えてしまうと、それを持って逃げてしまいます。

ひどい場合は、雲隠れなんてしませんよ。見えるところで、堂々と同じ仕事を始めます。

お金の管理は必ず自分でする

ネパールでは、貧困が影響して多くの人が借金を作っています。また、親族との関係が非常に強いため、困っていると代わりにお金を払ってあげたりします。

そうです、お店のお金に手を付けるのです。

お金の管理を任せると、お金をすべて持って逃げてしまいます。警察に言ったところで、相手がそのお金を賄賂にして逃げてしまうので、捕まえることは難しいでしょう。

レジのお金ですらくすねる人はたくさんいるので、一定量を超えたお金の受け渡しは親族にしかやらせないというのが、ネパールでの一般的な方法です。

それで、大きなお金の流れは必ず自分の管理の下で行いましょう。

ネパールでの買い付けビジネスの可能性

ネパールでは、労働力が非常に安いためまだまだビジネスチャンスがあります。

カシミヤ、ファシミナ、ウール、その他工芸品など、かなり安く手に入れることができます。

ただし、ブローカーを間に入れてしまうと、ものすごい手間賃を取られてしまします。

ですから、ネパールで買い付けをするには、自分で村に行って作業をさせる枠組みを作り、自分で管理することが大切です。

もちろん、その管理する役割を誰かに任せても良いのですが、ただの友人程度の人では簡単に裏切られます。気を付けてください。

今回考えたことはネパールでは普通な事なのですが、恐らく日本では考えられないことだと思います。これを考慮した上でもお金の鳴る音が聞こえるのであれば、あとは日本で売れるかだけだと思います。

ビジネスにはリスクがつきものですが、ネパールには不要なリスクが多いこともお忘れなく。