ネパールの役所の仕事は遅々として進まない-ブローカーシステムがあるから

ネパールの役所の仕事は遅々として進まない-ブローカーシステムがあるから

ネパールだけでなく、発展途上国ならどこの国でも存在するブローカーつまり仲介人。彼らがいるおかげで政府の仕事は進まない、国民への不便が解消されないのだと、よくネパール人の男性は話します。

ネパール人男性は、お金の話と政府の悪口、解決されない問題について話し合うが大好きです。彼らはきっと暇なんでしょうね。私もよくおじさんたちの話に巻き込まれます。彼らの言い分と、私なりに分析したネパールの現状をお話ししましょう。

この話では、ネパールではなぜ役所の仕事が全然進まないのかを考察します。例として、外国人がよく直面する3つの不便な状況を挙げます。また、ネパール人が困っている問題も挙げます。信頼度は、ネパール在住6年以上で、の免許書き換え(自力でした)、免許更新(ブローカー経由)、バイク名義変更5回以上(自力もブローカーも)、株式会社設立、株式会社閉鎖を経験しています。

ツーリストをはじめ、学生、ビジネスなどのビザの取得 を行う

ネパールでは、あらかじめビザを持っていなければ入国できず、新規にやってきたときは空港のアライバルビザ(観光)しか選択肢はない。ネパール国外では、観光以外のビザの発給は行っていないので、誰でも観光ビザで入国し、それから他のビザに書き換えるためにイミグレーションオフィスに出向くことになる。

学生ビザ、結婚ビザ、ビジネスビザなどすべてのビザについてだ。しかも、これは申請してもとれる保証はない。というか、個人で挑んだ場合は失敗に終わるケースが増えている。

観光ビザを延長する場合も、長い列に並ぶ必要があり、順番を飛ばされたりする。手続きに関する説明も少なく、せっかく並んでも手違いがあると再度初めから並ばないといけないこともある。

イミグレーションオフィスの2階(1階は半地下で、駐車場とキャンティーン、牢屋がある)と、敷地外の門の前あたりに「ビザ アップデート?ツーリスト?」とか聞いてくる普段着のおじさんたちがいます。

おじさんたちがブローカーです。中にはエージェント(代行業者)の人がいますが、その人は申請書類作りからすべて代行する人で、外部の人です。ブローカーは明らかに中の人です。

彼らは普通にオフィスのカウンターの中にも入っていきます。また、役人たちとそうとうよく繋がっているのか、顔でどのオフィサーか、名前まで知っていたりします。彼らは便宜を図ることができ、高速で処理を行ってくれます。場合によっては査証の問題は目をつむって処理させます。順番に並んでいる人を平気で飛び越していく場合も多々あります。

作業分担がいて、列に並んでいる人がいます。そして、客引きの人はパスポートと書類を集めます。列に並んでいる人に渡して、一人で数枚のパスポートを一度に処理させます。500ルピーとか1000ルピーとかでもやってくれるようです。

イミグレのカウンターの人は、基本的にやる気が無くて、処理もとてもゆっくりです。気に入らなければ突っ返すし、処理を進めずに明日もう一度来いなどと言います。しかし、ブローカーからの仕事は進んで、行います。他の人の処理にも普通に割り込みます。

イミグレにいる彼らは、「中の人」ではないと言い張りますが、明らかにキックバックを渡している感があります。

また、その他のビザも彼らを通すと早い場合があるようです。最近では、学生ビザを取得するのに尋問の様な質問攻めを何時間か行って、最後に明日もう一度来いと言ったりします。基本的に、アメリカ以外の人にはそのような対応をしているようです。それらも、ブローカーを通すと本人がオフィサーと会う事も無く処理が進んでいきます。

イミグレも汚職が多くて、取り締まりが厳しいらしく、外国人から賄賂をもらった、または要求したなどの報告が入ると役人がクビになります。そのため、直接は要求せず、処理を遅らせます。そして、ブローカーからならネパール人通しなので、いくらでも隠れてキックバックを払えるという仕組みの様です。

まぁ、法律に合わない人を通しているわけではなく、法律にあっている人の中でキックバックをもらえる人だけを選んで優先的に処理するという方向で小銭を稼いでいる模様です。これをどうとらえるかはブローカーを使う人次第です。

外国人としてネパールの運転免許への書き換え、免許更新を行う

ネパールはジュネーブ条約に参加していないので、国際免許が使えません。そのため、運転するにはネパールの運転免許証が必要になります。ただ、一から取る必要はなくて、海外の免許証を書き換えることができます。ちなみに、試験を受けて一から取ることも可能です。

そのために、ビザは観光ビザ以外の1年間かそれ以上のビザを持っている必要があります。残存期間が少なくなってからは、書き換えを渋られるので、出来るだけ早くいくことをお勧めします。

この免許取得、免許更新はヤタヤタ(交通局)で行います。カトマンズ盆地で大きなところは、エカンタクナにあります。あとは、スエンブーやバクタプルでも取得可能です。免許切替に関しては「ビジネスビザにて免許切り替え」をご覧ください。

また、免許は有効期限が5年なのですが、更新の際もそのヤタヤタに行く必要があります。この時は、切り替えの時ほど面倒ではありません。

どちらにしても、ものすごい数のネパール人が並んでいます。処理は順番に指定された窓口を回るのですが、すべての窓口でものすごい人が並んでいます。そして、窓口は一つなのに、その前に3人くらいが並び一度に手を差し込んでいます。さらに、その後ろから隙間を縫って数人が書類を差し出しているのです。

順番なんて守られませんよ。

ただ、順番を守るときがあります。それは、ブローカーが書類を持ってくるときです。そんな人ごみの中どうするのかと思うでしょう?窓口は建物の外から、窓を通して部屋の中にいる人に処理をお願いするわけです。

もう分かりましたね。そうです、ブローカーは部屋の中からやってくるのです。たくさんの人が窓から書類を差し出していますが、ブローカーがやってくると係員はその人の処理を優先して行います。なので、すべての窓口で数人から十数人を飛び越して処理を進めることができるのです。

彼らは、役人と通じており、交通局はまだ取り締まりが軽いのか、「自分は中の人だ」と親切に教えてくれます。彼らは、ヤタヤタの外にいて、1000ルピーから1500ルピーで処理をしてくれます。人を見て、さらにふっかける事もあります。

しかし、彼ら無しではほんの30分か1時間で済む作業を、人ごみに紛れて一日中かけて行う羽目になります。あなたは、どっちがいいですか?これはすでに、サービス化されていて、エクスプレスと呼ぶ人もいます。数人で行けば、一人500ルピーとかに負けてくれたりもします。

ちなみに、ネパール人はこのシステムを理解しているので、ブローカーに割り込まれても黙って順番を待っています。権威には彼らはとても弱いです。役人がやることにはいちゃもんはつけられないのです。お金さえ払えたら、自分もそのサービスが受けられるのです。お金が無いって厳しい。

バイクを購入し、バイクの名義変更を行う

免許を取ったら次は運転ですよね。車も欲しいですが、ネパールでは超高級品。中古であろうがなかろうが、国内に持ち込まれるときに新車と同じ税金がかかります。トヨタ車は税金300パーセントです。なので、一般ピープルはバイクしか手が出ません。

新車で購入した場合、登録処理が必要です。また、中古で購入しても名義変更が必要です。この処理は、カトマンズ盆地ではカランキから西にハイウェイを進んだサトゥンガルというところで行われます。

この処理も、観光以外の最低でも6カ月以上の長期ビザを取得者である必要があります。また、最近では外国人への名義変更を渋る役人が多いので、ブローカーですら断ることがあります。こちらは、平均価格1500ルピーです。

ここで自分で処理をすることはほぼ不可能です。まず、メインのオフィスビルはわかります。しかし、登録の物理ファイルが置かれているオフィスはロット番号ごとに、その辺りの一般の一軒家と何も変わらない建物に看板もなく分散しています。また、お金を支払ったり、ビルブック(登録証)にハンコを押してもらう場所も分散しています。

ブローカー無しではネパール人ですらどこをどう回っていいのか検討すらつきません。ここで基本的に自力のみで作業をすることは不可能です。

彼らも役人と顔見知りですが、役人というよりかは第3者保険(自賠責みたいなもので強制保険)の会社の人の様です。ただ、処理に動く人が全員ブローカーで、ここでは本人確認も必要なので、処理をお願いする人とセットで動きます。

なので、他の役所より時間はかかりますし、ものすごい人ごみです。できれば避けたいところですが、私は5回も経験済みです。1500ルピーは高くないと思いますよ。

全ての店舗への事業登録の強制と税金を課す件

ここまでで、私たち外国人が直面する問題とそれに関係するブローカーについて書いてきました。しかし、この問題はネパール人にも大いに関係しているのです。

今年、ビクラム歴2076年より、すべてのお店が事業登録をして税金を支払わなければならないという法律が決まり、施行されました。日本の外務省の以前の統計によると存在する会社やお店の8割は未登録とのことでした。つまり、勝手に店をやっているわけです。

しかし、去年からアルコールの販売に対して、登録が絶対必要で、お酒のみのお店でなければ税金を余分にかけられることになりました。それで、お店をつぶしたり、店舗を二つに分けて、お酒屋さんだけにしたりと、去年は動きがありました。

それでも、他のお店は関係ありませんでした。でも、今年からは他人事ではなくなってしまったのです。今年中(2020年4月くらいまで)に登録しなければ、店を無理やり閉じさせられる恐れがあります。

そして、すべての販売に関して領収書を切らないといけなくなりました。これは、一般人相手の小売業者には最悪の法律です。そんなまどろっこしいことやっていられません。客はどんどん来るんだから。

でも、法律なのであきらめて登録する人も少しずつ増えてきました。しかし、総数から言うと全く処理は進んでいないようです。なぜか?

ブローカーシステムがあるからです。事業登録のための税務署のような役所があるのですが、処理が遅すぎて登録できないのです。でも、実態はブローカーが勧誘しないと処理をしてくれないというものです。自分でやろうとすれば、行列に並び一日中税務署にいなければいけません。多くの小売業は自分だけで仕事をしていたりしますので、登録に行けば時間もお金もかかる。そして、商売のチャンスを逃してしまう。

それで、一年経っても多分店がつぶされることは無いんじゃないかという、希望的観測の元大量のお店が登録を拒んでいる状態です。

まとめ

ネパールでは、法律通りにすべて正しく申請、仕事をしていたとしても、処理されないことの方が多い。

それを回避するには、ブローカーを利用し、多額の「手数料」を払わなければ、処理を進めることができない。

自力で絶対できないというところは、そんなに多くないのですが、意味もなく列に並んで長時間待たされます。順番が来ても役人はおやつを食べに行った、トイレに行った、いつ戻ってくるか分からないという状況です。まさに無駄な労力という言葉がぴったりです。

あなたは、手数料を払いますか?