救急車はそれでも間に合わない-ネパールあるある

救急車はそれでも間に合わない-ネパールあるある

普段はお世話にならなくても、病気や事故の時は救急車があると助かります。病気の人を背負ってバイクに乗るのは大変です。車で寝かしたまま運べるといいですよね。

ネパールにも救急車はあります。

いろいろなタイプの救急車

めったに見かけないのと、基本バイク移動のため、見かけても写真を撮れる機会はあまりありません。

上の写真のような軽ワゴン型(800cc)を街で見かけました。

日本と同じタイプもあります。というか、車体に日本語が書いてあるので、どこかの自治体からの寄付か闇で流されたものでしょう。

普通車ワゴンタイプ、パジェロのような四駆タイプなどもあります。一般的なのは四駆タイプです。

他の国の救急車は見たことがありません。消防車は各国の色々なものがありますが。

サイレンも様々です。各国からの寄付や自作の救急車によって異なるわけです。

ですから、本当に救急車かどうかは、サイレンを鳴らしながら近づいてきた車を見て、Ambulanceと書かれていればそうだと分かります。ちなみに、軍か政府の車、警察、消防車、救急車以外はサイレンを鳴らしません。

救急搬送時の走行は最優先のはずでは?

救急車はサイレンを鳴らしていれば、逆走も可能です。赤信号も関係ありません。

一般市民は救急車が近づいてきたときは、基本は避けます。基本は。。。

と言っても、ネパールの道は狭い。渋滞で全く動きが取れないことも良くあります。というか、救急車が来ても身動きが取れないことの方が多いです。

通してあげたいのはやまやまなのですが、前にも後ろにも逃げることができません。そんな理由で、救急車を呼んでも、大体手遅れになります。

車内で心臓マッサージしているとか、乗っている人が泣いている場合とか、よく見かけます。まぁ、間に合ってないんですね。

渋滞に阻まれて動けないことが多いので、ネパールでは救急車はあまり頼りになりません。そもそも、強制的にほかの車を退かせる力(権力)はなさそうです。救急車が真後ろでサイレンを鳴らしていても微動だにしない人も多いです。

公共のサービスではないっぽい

救急車はどの番号に掛ければ呼べるのか?気になりますね。知っておかないと、いざという時に困ります。

正解は、救急車のドライバーの携帯電話の番号です。

救急車の車体に書かれていることが多いです。もしくは、病院に聞くしかないです。

街で見かけた救急車サービスの看板です。

トールセワサミッティーと書いてあるので、町内会のサービスっぽいです。電話番号はオフィスと携帯の番号が書いてあります。やはり、運転手に直接電話した方が早いのでしょう。

オフィスはドアに南京錠が掛かっていたので、閉まっていますね。つまり、電話しても誰も出ません。24時間運営でもないし、休日も休みです。

この写真のように社会奉仕で行っている場所もありますが、大体は病院が自分で所有している救急車を使います。そして、その救急車は大抵使用中です。

値段を聞いたことは無いのですが、有料だと思われます。

どんな設備が付いているの?

日本の救急車はいろいろな機械が設置されていて、さながら小さな病院の様ですよね。ネパールはどうなんでしょうか?

友人がネパールで脳梗塞になって入院していたため、とある有名な高級病院の救急車に同乗したことがあります。

ネパールの救急車は、普通の車です。サイレンは付いています。酸素ボンベをひっかけるボルトが壁に溶接されています。床にベッドを固定してあります。

固定ってよく分かりませんよね。ベッドのまま車に載せることができないタイプが多いです。パイプの簡易ベッドを固定してあるだけです。

友人は、具合が改善してから他の病院に検査で移動するために乗ったのですが、病室から救急車まではベッドに載せて移動し、車には自分の乗り込んで自分でベッドに寝ました。

そして、普通の車なので車内で立てないくらい狭いです。ベッドは固定してあるので動きませんが、患者は自分でベッドにつかまります。でないと、転げ落ちます。

通信用にラジオみたいなのが付いていましたが、基本的には携帯電話で連絡します。運転手はよく電話がかかってくるので、ながら運転です。

後は救急箱くらいです。つまり、搬送のための車であって、医療設備は持ち込まない限りついていません。

運転手と同乗者は白衣など来ておらず、ジーパンにTシャツだったり、普通のおじさんとか少年がやってきます。

救急車に乗った経験者の意見

サイレンは緊急性とか関係ない気がします。運転手がイラついたときに自分のタイミングで鳴らしていました。

私が同乗した時は緊急性は無かったのですが、途中で車が止まって助手席の係員が噛みたばこを買いに行くのを待っていました。

また、途中で関係ない人(恐らく私服だけど病院の関係者)を乗せて、病院までの交通手段として使っていました。

運転手たちは酸素マスクの取り付けくらいはできるようです。でも、医者でも救急隊員でもなさそうです。

カルテや必要な道具は患者の付き添いの人が自分で管理する必要があります。知らなかったので、友人の時は検査に行った病院に忘れてきてしまい、あとで私がバイクで取りに行きました。。。

結論ですが、「ネパールでは事故には会うな。病気にもかかるな。」です。緊急性が高かろうが低かろうが、救急車が来たので助かるなんてことは万に一つもない気がします。

できるなら海外旅行保険をかけておき、自力で病院に行って治療してもらうしかなさそうです。

ネパールに来られる際は、ぜひお気をつけて。