ネパール流洗濯の干し方-ネパールあるある
天気のいい日は洗濯物を太陽の光をさんさんと浴びさせて乾かす。やはり、これに限ります。
と言っている私は、家事をあまりしない夫なので、実際のところよく分かりません。でも、ネパールの街を歩いていて目にするのは洗濯物です。
お察しの通り、ネパールは紐にぶら下げます。
ネパールにはハンガーや洗濯ばさみはないのか?と思ってしまいます。実は、いくらでも売っています。私が来たときは数種類しか売っていませんでしたが、今は何種類もあるし、スーパーならどこでも手に入ります。
ですが、ネパールでは紐が売れるんですね。紐を買って柱から柱に、壁に沿って、結べるところならどこでも結ぶ。そして、それに引っ掛けます。
なぜそうするのか?私なりに考えてみました。
ネパールの結婚事情が関係している
ネパールでの結婚は最近では恋愛結婚になってきましたが、それでもまだまだお見合いというか親が決めてしまう場合も多いです。そして、若いうちに結婚させられる場合が多いです。
田舎ではまだまだ女性は不要と思われる習慣があります。それで、教育を満足に受けさせてもらえなかったり、大学には行かせてもらえずにすぐお嫁に行かされることが多いようです。
そして、そういう地方には電気も余りありません。そうなると、洗濯機もありません。ですから、手で洗濯します。そうすると、絞るのが大変で、絞ると布が傷むので敗れたります。なので、絞りません。
軽く絞って、水が滴るまま広げて紐にぶら下げていきます。
これ、ネパールスタンダードです。手洗いは、水が滴るまま干す。だって、どうせ乾くから。
結婚している女性は基本仕事に出ないので、毎日洗濯します。基本、真面目なんですね。男性のように話に夢中になり全然手が動いていないことはそれほどありません。
彼女たちのする家事と言えば、食事、洗濯、掃除、水汲みです。大体、これらをしているうちに一日のかなりの時間が過ぎていきます。だって、すべて手作業だから。
暇になれば、近所の主婦仲間と話す、Facebookをするくらいです。
女性は下に見られることが多いので、家事のための道具はあまり買ってもらえません。
干す環境も関係している
ネパールはお金が無かったり、女性の家事のための道具はあまり買わないので、紐に干すという流れになっています。しかし、家の構造にも問題があります。
ネパールでは、大半が貧しい人です。そして、貧しい家庭は基本的に人家族一部屋だったりします。6から8畳の部屋にベッドを二つ、コンロを置いて水道無しの手作りキッチンを置き、家族3-7人が一部屋で生活します。
そして、一件の家に大家の家族のほかに40人くらい住んでいるなんてことも普通にあります。特にカトマンズではそうです。
洗濯物を干す場所はと言えば、家の周りの塀の策や柱にロープを結んでそこに干すしかありません。ベランダは基本ありません。あっても、洗濯物を干す設備はありません。
屋上があることもあるのですが、広いだけで何もなく、洗濯物を干すことができません。かろうじて転落防止の塀があれば、そこに並べて干します。
建設途中の柱があれば、そこに紐や余った電線を結んで、そこにかけるわけです。物干し竿とか便利なものはないので、ハンガーは普及しません。部屋も狭くなってしまいます。
紐も面倒だと、このように干します。
はい、くし刺しです。
本当に刺さっているわけではなくて、ひっかけてあるだけなので、そっと外せば破けません。
なので、基本的には紐に干す、塀に掛けるです。
庭がある場合は、木や草の上に並べているツワモノもいます。
洗濯機が普及しないのはなぜか?
まず、購入できません。ネパールでもお金持ちの流行はドラム式洗濯機です。でも、普通に5万ルピーから8万ルピーします。
数年前は2層式売れていましたが、その後縦型全自動になり、現在はドラム型以外は販売店ではあまり見かけません。金持ちは欧米式です。
ただ、洗濯のために3か月分以上の給料を払う気になるかというと、ノーです。
しかし、もっと重要な理由があります。
それは、汚れが落ちない。。。
ネパールは空気が悪いです。排気ガス、砂ぼこり、泥などが毎日服を汚します。どのぐらい汚れるかというと、石鹸で手洗いすると、一日着た服から黒い水が出てくるほどです。
また、カトマンズ周辺の土は粘土質ですので、泥が付くと簡単には落ちません。
それもあって、手洗いでないと汚れは取れないのです。
日本から持ち込んだ洗剤を使えば、まだネパールの洗剤よりは汚れが取れますが、きれいになるかというとやはり汚れが残っています。
ていうか、井戸水の土や砂で、洗濯機で洗ったのに茶色くなってるなんてこともあります。
ですから、ネパール全土がアスファルトで覆われて、砂ぼこりがなくなり、電気自動車が走り回るようになるまで、洗濯機は意味ないかも。残念です。
洗濯機を持っているネパール人の友人に「それで洗って汚れ落ちるの?」と聞いたことがあります。答えは「あまり落ちないね。でも、気にしない。ひどい汚れだけは手洗いする。」でした。
まとめ
ネパールでは様々な理由から、手洗いがきれいになる一番の方法である。
ハンガーを使うための、物干し竿や服を乾かす設備が無いので、対処療法的に紐に引っ掛ける方式が普及している。
ネパールは多分数年後もこの方式で続いていくと思います。
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