模造品と海賊版が多い。それは本物ですか?偽物ですか?-ネパールお家芸

模造品と海賊版が多い。それは本物ですか?偽物ですか?-ネパールお家芸

ネパールに来て買い物すればわかるのですが、本物は限りなく少ない。日本の隣国と同じく、国家単位で偽物の販売を黙認しているのがネパールです。

悪く言うわけではありませんが、そうしなければ恐らくこの国の経済は立ち行かないのでしょう。なぜなら、政府の税金が異常だから。

例えば、車などは新品であろうが中古であろうが新品の値段が輸入時に適用され、その何倍かの税金が普通に課せられます。バイクや電子機器も本物をインドや中国で買ってきたら半額なのに、ネパールで本物を買うとその2倍以上の値段がするというのは良くあることです。

特に衣料品や電子機器の偽物が多いのですが、今日は電化製品を取り上げてみます。

ネパールで有名な「日本製」の商品

最近では中国製品の品質が上がってきましたが、まだまだネパールでのイメージとしては「中国のものはすぐ壊れる」という感じです。

それで、弱い順に「ネパール製→中国製→インド製→その他海外製→日本製」という構図が出来上がっています。

とにかく日本製は素晴らしい。日本製なら心配はない。名前だけでもあやかっておきたい。

まずは、昭和を思わせる炊飯器です。真ん中はインドの有名なメーカーのBALTRAです。それを挟むように陳列されている商品のメーカー名をご覧ください。

左が「NEW NATIONAL JAPAN」で、右が「Yasuda」です。

このメーカーは日本のコピーではありませんが、メーカー名が怪しすぎます。しかし、昔からある品質の良い有名なメーカーです。

さすがにインド製はバレバレなので、大きなスーパー(デパート的な扱い)では日本製とは言いませんが、町の電気屋さんで日本製と言えばこれが出てきます。

JAPANと商品名に入れたり、日本名をアルファベットにするのは常套手段です。

多分偽物?な商品たち

日本の恐らくコピーである商品たちです。

先ほどと同じく、炊飯器です。ネパールでは、電気が切れることがいまだにあるので、最新の炊飯器はありません。

ONとOFFのみの昭和式炊飯器です。電気をつないでいる間はWARMつまり保温で、スイッチを入れるとCOOKつまり調理になり一定時間のタイマーで一気に過熱して調理します。

PanasonicとSHARPとHITACHIですね。ネパールでも売れに売れているメーカーではありますが、本当にこれらの会社はアジア圏向けにこんな昭和式炊飯器を作って売っているのでしょうか?

クオリティー的にはYasudaとかBALTRAの方が全然よくて、そっちの方が壊れません。ていうか、このシンプル機能でメーカーとか関係ない気がする。

お祝い事の際は、家族にこれらの電化製品を買って喜ばせるのは世間のお父さんたちの常とう手段です。

売れても売れても、新品では運ばれてくるこれらのものはどこで作っているのか?箱には製造地は書かれていません。日本製なら、製造地とか会社の所在地は記しますし、正規のインド製でも製造地は記します。

たぶん、中国から流れてきているのではと思います。

これは「オリジナル」です。

大国であるインドと中国の二つに挟まれるネパール。入ってくるのは、ほとんど偽物です。

しかし、本物も入ってきます。最近入ってきた本物を紹介します。

「ティファール」です。

あれ?・・・

ファール」だ。。。

買いはしませんでしたが、偽物の存在を知らないうちの妻は始めはすっかり本物と思い込んでいました。

ティファールと言えばフランス製の有名な調理器具メーカーです。ちなみに、正しいスペルは「T-fal」です。

ハイフンの所が小文字の「e」になっています。

これは、偽物ですか?「T-fal」を知っている人には偽物と感じますよね。しかし、これはインドの「Tefal」社製の歴とした本物です。

オリジナリティにあふれていないのは、似た名前の会社があるからでしょうかね?

T-falの色や陳列に似ているような気もしますが、確かにアイロンとかミキサーは作っていなかった気がしますね。

フライパンとかだけなら騙される人いるかもしれませんね。

箱も見てみます。

なんだか、字の丸みから、色合いまでものすごいフランスの会社に似ていますけどね。

しっかり「made in India」と書いてあったのです、訴えられることは無いと思います。というか、訴えたところで誰にも益はない気がします。

本物もあるけど高い

ネパールでは本物が手に入らないわけではありません。ですが、本物を買おうと思うと探すのが大変で、しかも型遅れで値段は日本よりもかなり割高になります。

電化製品で良いものは韓国製のSamsungやLGが良いです。本物が入ってきています。あと、そのコピーに近いCG(チョウダリグループ)というネパールの会社があります。

CG制は恐らくネパールで最も売れている家電メーカーの一つです。名前は違うけど中身はLGと同じだとネパール人の人は言っています。

液晶テレビとかLG製とCG製を比べたことがありますが、パネルの質も映りも作りも全然違いますけどね。筐体だけは似ています。字も一文字しか違いません。でも、似て非なる物だと思います。

電化製品はネパールで比較しても仕方ないので、本物が手に入りやすいお酒で値段比較します。

MALIBUは5430ルピー、KAHLUAは5675ルピー、映っていませんがカンパリは4500ルピーぐらいだったと思います。

どれも、750mlのものです。

日本製と比べて値段は約3倍以上でしょうか。

税金があるので、輸入物はものすごく高いんです。ネパール製であれば、ビール、ウォッカ、ジン、ワインなど、それぞれ海外製の5分の1くらいの値段手に入ります。

国は関税で儲けているのでしょう。これを考えると、アメリカや中国の関税合戦なんて子供の倍率にしか思えません。ネパールひどすぎますね。

儲かると思えば、何でもコピーする

ネパールでは、本物と偽物が並んでいる事もあります。

アジアで作っている東南アジア用のキッコーマンの醤油があります。750mlくらいのボトルで大体800ルピーくらいします。日本と比べると高いですが、それなりの味です。

でも、その半額で見た目全く同じで、味はひどい偽物が出回ったことがあります。ネパール人はしょうゆを普通使わないので、違いが分からないのでしょう。

外国人向けにかなり売れていた醤油だったので、売れると思ったんでしょう。そして、安く仕入れてしまったお店もチェックはしない。

それを買ってしまった友人はひどい味だったと言っていました。。。

まぁ、ボトルを振ったら内用液の色が変わるので偽物かどうかは見たら分かりますけどね。

あとは、microSDとか正規を見つけるのが大変です。スキャンして印刷しているので、印刷クオリティがひどいです。印刷がにじんでいるのですぐわかります。

製造値やシリアルナンバーの部分はコピーしないので、開封すれば分かります。

品質は恐ろしく悪いので、記録メディアだけは日本で買ってくることをお勧めします。

ネパールで買い物する時の基本原則

ネパールでは、きちんとしたインド製のメーカー品の市場価格と比べて同じくらいの値段であれば、99パーセント偽物しか手に入りません。

見た目はほぼ同じにコピーしてくるのですが、値段が安いです。ですので、値段を見て正規品の値段よりもかなり高ければ本物という見方もできます。

そして、店主も偽物と分かって売っており、「本物なんてこの国では手に入らないよ」と教えてくれます。

大事なものは日本から持ってくる。現地で買わなければならないなら、偽物だと思って買う。

できれば、インド製を購入する。それが無ければ、品質を見て中国製。ローカルのネパール製は絶対に買わない。

この辺りを守っていれば、そんなに悲しい思いをすることは無いと思います。

電化製品であれ何であれ、偽物のほとんどはクオリティがものすごく悪いので、ネットで本物を見てよくチェックすれば分かりますよ。

ネパールに来られた際は、ぜひショッピングの際に間違い探しをしてみてください。きっと楽しくショッピングができると思います。