ネパール流-安全に交差点を曲がる方法

ネパール流-安全に交差点を曲がる方法

ネパールに旅行に来る皆さん、バイクは乗らない方が良いですよ。

交通ルールなんてどこも同じだろうと思っておられるあなた。実際そうなんですが、ところ違えばすべて違うと思った方が良いです。

でなければ、痛い目にあうかもしれません。その理由をお教えします。

ネパールでは外国人でも一応バイクは乗れる

以前の記事でも書いたことがあるのですが、ネパールはジュネーブ条約に加盟していません。ですから、国際運転免許証はネパールでは使えません。

ですから、法律上はネパールの運転免許証を持たない人は運転してはいけません。

ですが、貸しバイク屋はあるし、カトマンズでもポカラでもお店にパスポートを預けてバイクを借りることができます。また、免許があるかの確認もありません。

交通警察官は英語が話せない場合が多く、外国語を話す人にはとことん甘いです。ネパール語が通じない外国人だと分かると素通りさせてくれる場合が多いです。

実際、日本語で応答すると「もういいや、行け」とジェスチャーする場合も多いです。「ライセンス?」と言われたら、外国のライセンスを出しても、OKな場合が多いです。

車を運転さしてもらうのは結構厳しいのですが、バイクは運転させてもらえる場合が多いです。

しかし、在ネパール日本大使館に問い合わせたところ、「ネパールの警官が良いと言っても、法律上はネパールの運転免許証は必要なので、運転しないでください」との事でした。

袖の下社会なので、それで切り抜けている外国人も結構いるようです。

でも、私は乗らないことをお勧めします。法律的にも良くないですし、危険がいっぱいだからです。

ネパールの交通ルールについて

ネパールは左側通行です。メインの道路は車線があるし、車やバイクの操作も、基本的に日本と同じです。

車線があれば車線を守らなければいけません

交差点に信号はほぼなくて、警察官がいれば手信号を守れば良いです。いなければ、自己責任でゆっくり通行すればOKです。

カトマンズのリングロードや一部ハイウェイは、制限速度は時速50キロで、交差点付近は時速20キロに制限されているところがあります。しかし、スピード違反で捕まったとは聞いたことがありません。取り締まる装置もありません。

カトマンズのタメル付近に一部バイクに適用される一方通行もありますが、基本的に一方通行は車のみです。道路標識に「バイク以外」とネパール語で書いてあります。

車線があるところを逆走していなければ、特に問題ありません。

バイクの場合、運転者だけはヘルメットをかぶる必要があり、後ろに乗る人はヘルメット不要です。また、大人は2人乗りまでですが、体の小さな子供は人数にカウントされません。

車の場合、運転者と助手席はシートベルトを閉めなければなりません。その他の人は不要です。

曲がる場合は、その方向に方向指示器を点滅させる必要があります。路肩に停車する時は、路肩とは反対方向の方向指示器を点滅させます。

道路の横断は、一時停止をしてから、安全を確認してゆっくり侵入します。

追い越しは右側から行います。

横断歩道の歩行者は絶対優先で、歩行者は横断歩道を渡らないと罰金です。

交差点が赤信号(交通警察の手信号で)の場合でも、警察が止めない限り左折はいつでもOKです。

最後に、緊急時以外のホーンの使用は罰金対象です。

飲酒は少しでも検知されればアウトです。

駐車禁止区域に駐車すれば、警察署に移動されて罰金1000ルピーか、グラインダーでも切れない鋼鉄の巨大なはさみでタイヤを固定されたり、くさりでぐるぐる巻きにされてロックされます。

ここまで、定められているルールでした。こう見ると、ルールはほとんど日本と同じですね。

実際の交通ルールの守られ方

制限速度はあってないようなもので、警察車両が走っていない限り、ほぼ暴走状態です。中排気量のバイクが増えた昨今、幹線道路は時速80キロオーバーや100キロ以上で走行するバイクがたくさんいます。

車を持っている人は、金持ちで威張っているため、バイクに対してホーンを鳴らして、ギリギリまで寄って圧力を掛けます。そして、無理やり追い越していきます。

「車線?何それ?」という感じです。

反対車線を逆走しつつ追い越しを掛ける車が、こちらにパッシングして、ホーンを鳴らし、邪魔だと言わんばかりに猛スピードで向かってきます。

交差点にトラフィックポリスが立っていない限り、無法地帯状態です。すべて自己責任でゆっくりと間を縫って通行するしかありません。すべては早い者勝ちです。

右から左から追い抜かれたり、右から追い抜かして目の前でブレーキ掛けて左に曲がる人が大量にいます。

歩行者優先なんてのは嘘で、車の間を縫って歩行者が歩いていきます。

道路の横断は、とりあえず頭突っ込んでゆっくり進み、相手が止まればもうけものです。

優先道路とか交差点とか関係なしに、左右全く確認せずに、猛スピードで合流してきます。早い者勝ちです。

ヘルメットも幹線道路に出る予定がなければ、かぶる必要ないというのが一般的な見解です。

バイクの運転者はかなりの確率で運転免許持っていなくて、感覚的に3割くらいは無免許です。

危険がいっぱいのネパールの道路では、ローカルルールに従うべき

ネパールでは、あまり考えることをしません。消して頭が悪いわけではないのですが、考えないのです。問題にぶち当たってから考えるのが基本です。

これを念頭に置いて、ネパールでは交通無法地帯にいると常に頭に入れておかなければなりません。

前の車やバイクが突然止まることも良くあります。バスが車線の真ん中で停止して、乗客が乗り降りすることも珍しくありません。

では、安全に交差点を曲がる方法を見てみましょう。まず、日本での曲がり方です。

日本での路地から幹線道路への右折の仕方

赤いバイクが自分です。路地から幹線道路に出て右折します。

この場合、幹線道路の手前で一時停止します。そして、手前の車線の車がすべて行ってから、自分が入りたい車線に安全に入れる時を見計らいます。

次に、低速で侵入し、まっすぐ横断して、目的の車線に近づいたら右に曲がります。

日本ではこれが普通です。

次に、ネパール流を見てみましょう。

ネパールでの路地から幹線道路への一般的な右折の仕方

まず、ある程度スピードにのせて、自分が曲がりたい方向にかじを切り、幹線道路にバイク一台くらい突っ込みます。恐らく、対向車が避けてくれるでしょう。

そして、反対車線とか関係なく向かってくる車やバイクに対して、ゆっくり逆走しながら目的の車線に近づいていきます。

目的の車線が混んでいたら、センターライン付近を走行しながら様子を見て、いい感じのところで目的の車線に入ります。

どうしてこうなるのかというと、ネパールには信号がありません。そして、交通量も多いので、車やバイクの切れ目はいくら待っても来ません。無駄です。

幹線道路に対してまっすぐ、つまり直角に侵入すると対向車が避ける場所がありません。しかし、逆走していけば幅が細くなるので、対向車が避けられる隙間ができます。

そして、ゆっくり逆走しているので、対向車にとっては止まっているものを避ける程度なのです。

ある意味、当を得た右折方法だと思えるのは私だけでしょうか?

実際、私はこの方法で渡っています。

ほぼすべてのネパール人がこのようにします。学校でこの右折方法を教えているのかと思うほどです。

本当に、これでいいんでしょうか?

ネパールの交通事故の現状

ネパールでは、死亡事故がかなり増えているようです。特にバイクの死亡事故です。

今までは、舗装されておらず、でこぼこの砂利道をゆっくり走行するしかなかったのですが、ここ3年ほどで都市部の舗装化が一気に進んでいます。

それで、安全意識の低いネパール人は、スピードが出るだけアクセルをふかして、猛スピードで走っています。

運転者以外はヘルメットをの装着義務がないので、50キロ以上で走行し、ノーヘルで転倒したり衝突したらどうなるか、容易に想像ができます。

乾季になると、砂ぼこりが舞います。また、ゴミなどが道に多く落ちている事もあります。何より、きちんと整備されていないバイクで、猛スピードで急ブレーキすると簡単に転倒してしまいます。

つい最近も、幹線道路でアスファルトの張替えのために、5センチほどアスファルトを剥いでいる区間が15メートルほどありました。グワルコのB&B病院の少し前です。下り坂という事もあり、一日で十数台のバイクが転倒事故を起こしました。

急に段差が表れて、摩擦抵抗の少ない路面に降り立って急ブレーキをしたために、前輪がすべって転倒するパターンです。

また、すり抜けによる事故や、巻き込み事故も多く発生しています。

結論:できるだけバイクには乗るな

ネパール人は、交通安全の教育を受けていません。また、譲り合い、順番を守るなどという事も、文化的に学んでいません。

ですから、運転免許を持っているとはいえ、大多数の人は子供が車やバイクを運転しているような状態なのです。メチャクチャ危険です。

ネパールの免許を持っていたとしても、運転に相当の自信があり、何が起きても対処できるぐらいでなければ、幹線道路の走行はお勧めしません。

ぜひ、公共の交通機関をお使いください。

また、観光でいらっしゃる方も、発展途上国だからと甘く見ず、法律を順守してください。特に、飲酒状態で交通事故を起こせば、外国人であれ刑務所に行くことになります。

バスやタクシーでも、数回乗る程度なら安いものです。また、日本と比べたらかなり安いです。それで、あなたの大切な命を守ることができます。

楽しい旅行ですから、楽しいまま日本に帰れるに越したことはありません。