デバナガリ文字の半音の作り方-ネパール語

デバナガリ文字の半音の作り方-ネパール語

ネパール語の文字には半音-आधा अक्षर(aadhaa akshar)というものがある。

半音とは、子音そのものである。発音では、母音の音を付加しない息が出る音のみとなる。表記上は、子音の下に半音記号を付加する、もしくは一部表記を変更することで表す。

子音の半音の発音に関しては、過去記事の「ネパール語での子音の表記と発音について」で説明されています。表記に関してはこの記事で説明します。

子音が単語の中に現れる例

半音はネパール語の単語の様々な部分に現れます。大まかに言って三種類の存在します。

全音表記に半音記号を付加して現れる

半音記号というのは子音の全音記号(そもそもの表記)の下に付加される尻尾のような記号です。以下の様な例があります。

単語発音説明
पढ्नुpadhnu「読む」「勉強する」という意味
真ん中の文字に半音記号が付加されている。
जानुहोस्januhos「行ってください」という意味
最後の文字に半音記号が付加されている
मेट्नुmeTnu「消す」という意味
真ん中の文字に半音記号が付加されている

結合文字の一部として現れる

結合文字とは子音の半音と他の子音が結合して一つの文字を構成するものです。

結合文字に関しては他の記事で詳細を記述するので、ここでは半音として現れる例のみを取り上げます。

結合文字単語発音
श्री : श् + रीश्रीमान shrimaan
प्रे : प् + रेप्रेम prem
स्ते : स् + तेनमस्तेnamaste

全音表記されているが、半音で発音するもの

単語のつづりとしては全音で表記されるが、発音は半音になるものが存在する。これが一番厄介で、単語ごとに自分で覚えるしかない。

ただし、単語の末尾に来るもので、” अ “以外の母音が付加されていないものは、大半が半音になるので、その場合は予想が付く。

単語発音全音表記での半音
नमस्कारnamaskar末尾の” र “
हिमालhimal末尾の” ल “
सगरमाथाsagarmaathaa 三文字目の” र ”

半音の表記

半音の表記には様々なものが存在する。全音で表記する場合を除いて、5種類の表記に分類する。

右側のしっぽを切る

縦棒の右側のしっぽの部分を半分切ることで半音を表現する。切った先はそのままではなく直後に来る子音に引っ付けるように記述する。

この方法は” क “, ” झ “のもう一つの表記, ” फ “の3つの文字のみ使用される。

縦棒を取り除く

縦棒の右側に文字がはみ出ていない文字に関しては、縦棒を取り除くことで半音を表現する。縦棒のある位置に直後に来る子音を設置し、引っ付けるように記述する。

” ग “に関しては、縦棒とのギャップの分だけ次の子音との間隔をあける。

表の最後の” झ “(jha)は一般的なフォントでの表記のもの。もう一つの表記の場合と半音の表記方法が異なるので注意したい。

ङの半音表記

” ङ “に関しては、四つの子音のみが結合することができる。ただ、この文字の場合、フォントによっては表示できないことが多く、半音記号を使って表記することの方が多い。

小さく書いて上下に引っ付けて、下に来る子音の上の横棒は取り除く。その際、上が半音で、下が全音として発音する。

上下に結合する場合

表記は” ङ “の結合方法と同じ。小さく書いて上下に引っ付けて、下に来る子音の上の横棒は取り除く。その際、上が半音で、下が全音として発音する。

場合によっては真下ではなく、左下に斜めに倒して小さく表記する事もある。この際も、下に来る音が全音となる。

様々な子音が結合可能で、例では一部のみを示す。

上記ものを使用して、単語を作る場合以下のようになる。

रの半音表記

” र “の半音表記に関しては、半音記号を合わせて6種類の方法が存在する。

いずれの場合も、他の子音に引っ付けて表記する。そして、上の子音から下の子音に向けて発音していく。

子音の 前(左側)につく時 と上につく時は半音として発音し、結合している子音は全音として発音する。

子音の下につく時は半音表記ではあるが全音として発音する。そして、結合されている子音を全音表できはあるが半音で発音する。

子音の一覧に載らない” ऋ “(ri)に関しては、カタカナの「リの」音のように発音する。その場合、結合されている子音は半音で発音する。

表の三番目と四番目は似ているが位置が異なる。三番目は多くの子音に結合される方法で、子音の文字の下半分に取り込まれる形で表記する。四番目は子音の” य “にのみ結合され、前(左側)に位置する。